Claude Haiku 5.5公開、コスト75%減、エフォート設定も初対応

Claude Haiku 5.5公開、コスト75%減、エフォート設定も初対応

📌 この記事の要約

  • 料金は10万トークン以下で90%減、平均で約75%減
    Anthropicは2026年10月7日、小型モデル「Claude Haiku 5.5」を公開。入力は100万トークンあたり0.10ドル、出力は0.50ドルからで、10万トークンを超える場合でもHaiku 4.5より50%安くなる。

  • PC操作の性能が約4.6倍に向上
    OSWorldのスコアはHaiku 4.5の15.7%から72.4%へ上昇し、Sonnet 5.5との差は11.5ポイントまで縮まった。公式の比較表では、GPT-6 Lunaがスコアを掲載した全項目で上回っている。

  • コーディングではSonnet 5.5との差が残る
    Terminal-Bench 4.0ではHaiku 5.5が39.2%、Sonnet 5.5が70.6%。複雑なエージェント型コーディングは、上位モデルに任せるのが適切とされている。

  • Haikuクラス初のeffort設定に対応
    要約や分類などの大量の定型処理、サブエージェントとしての活用に向く。処理ごとにコスト優先か精度優先かを選べ、モデルIDは claude-haiku-5-5。

Anthropicは2026年10月7日、小型モデル「Claude Haiku 5.5」を公開しました。前世代のHaiku 4.5と比べて運用コストは平均で約75%下がり、パソコン操作の能力を測るOSWorldの点数は15.7%から72.4%へ上がっています。公式の比較表では、競合のGPT-6 Lunaも、スコアが掲載された全項目で上回っています。

本記事では、Anthropicの公式情報をもとに、料金、性能、向いている用途と使い分けを解説します。

Claude Haiku 5.5の料金|Haiku 4.5・Sonnet 5.5と比較

Haiku 5.5の料金は、100万トークンあたり入力0.10ドル、出力0.50ドルからです。入力単価はSonnet 5.5(2.00ドル)の20分の1にあたります。

100万トークンあたりの料金表

プロンプトの長さが10万トークン以下か、それを超えるかで単価が変わります。

100万トークンあたりHaiku 5.5(10万以下)Haiku 5.5(10万超)Haiku 4.5Sonnet 5.5
入力$0.10$0.50$1.00$2.00
出力$0.50$2.50$5.00$10.00
キャッシュ読み取り$0.01$0.05$0.10$0.10
キャッシュ書き込み$0.125$0.625$1.25$2.50

「約75%減」の内訳

約75%減は平均値で、内訳は2段階です。10万トークン以下のリクエストではHaiku 4.5より90%安く、10万トークンを超えるリクエストでは50%安くなります。

Anthropicによると、Haiku 4.5のリクエストの約90%は10万トークン以下でした。約75%減という平均値は、こうしたリクエストの割合を踏まえて算出されています。短いプロンプト中心の使い方ほど、削減幅は大きくなります。

新トークナイザーによるトークン数増加の影響

Haiku 5.5は、Sonnet 5.5やOpus 5.5と同様にトークナイザーが更新されました。トークナイザーとは、文章をトークンという課金単位に分割する仕組みです。

新しいトークナイザーでは、同じ作業でもトークン数がやや増えます。約75%減という数字は、この増加分も織り込んだ値です。

Claude Haiku 5.5の性能|Haiku 4.5・GPT-6 Luna・Sonnet 5.5と比較

Haiku 5.5は、Haiku 4.5と比較できる全項目で大幅に向上しました。公式の表では、GPT-6 Lunaのスコアが掲載された全項目で上回っています。ただし、これらはAnthropicが公表した数値です。

PC操作・知識労働は大幅に向上

ベンチマークHaiku 5.5Haiku 4.5GPT-6 LunaSonnet 5.5(参考)
知識労働 GDPval-AA v2.1162073514371840
PC操作 OSWorld 2.1(オフライン版)72.4%15.7%48.9%83.9%
エージェント型コーディング Terminal-Bench 4.039.2%0.0%16.4%70.6%
エージェント型コーディング FrontierCode 1.146.4%—42.4%52.1%(Xhigh)

※「—」は公式表にスコアの記載がない項目です。Sonnet 5.5のFrontierCodeは、effort設定「Xhigh」での結果です。

OSWorldはHaiku 4.5の約4.6倍で、Sonnet 5.5との差は11.5ポイントまで縮まりました。OSWorldは、AIが実際のパソコンを操作して複数手順の作業を終えられるかを測る指標です。

コーディング(Terminal-Bench)はSonnet 5.5との差が残る

Terminal-Bench 4.0では、Haiku 5.5が39.2%、Sonnet 5.5が70.6%で、31.4ポイントの差があります。Anthropicも、複雑なエージェント型コーディングにはSonnet 5.5やOpus 5.5が適していると明言しています。

effort設定でコストと精度を調整できる

Haiku 5.5は、Haikuクラスで初めてeffort設定(モデルがどれだけ深く考えるかを調整する機能)に対応しました。処理ごとに、コストを優先するか、精度を優先するかを選べます。

Anthropicは、設定の段階ごとに性能とコストがどう変わるかをグラフで公開しています。

Claude Haiku 5.5が向いている用途と使い分け

Haiku 5.5が得意なのは、範囲が絞られた大量の定型処理です。上位モデルの作業を助けるサブエージェントとしても使えます。サブエージェントとは、主担当のモデルから細かい作業を任されて並行処理するAIのことです。

向いている用途

Anthropicが挙げる用途は次のとおりです。

  • 要約や会話履歴の圧縮(コンパクション)
  • データベースへの問い合わせ
  • 分類処理
  • ライブのカスタマーサポート
  • ブラウザ操作

Anthropicは、Haiku 5.5を同社で最速のモデルと説明しています。ただし、Opusシリーズの高速モード(Fast Mode)よりは遅くなります。

向かない用途

複雑なエージェント型コーディングは、Sonnet 5.5やOpus 5.5に任せるのが適切です。Haiku 5.5は、これまで費用面で見送られてきた小さな処理に使うモデルと考えるとよいでしょう。

Claude Haiku 5.5の使い方|提供プラットフォームとモデルID

Claude Haiku 5.5は2026年10月7日から、全プラットフォームで利用できます。Claude Platformに加えて、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud、Microsoft Azureでも提供されています。

開発者向けのモデルIDは「claude-haiku-5-5」です。Claude Platformでは、このモデルIDを指定して利用を始められます。

同時発表のアップデート|コスト最適化の全体像

Anthropicは、Haiku 5.5の公開に合わせて、料金とサービス面の改善を3つ発表しました。

  • Sonnet 5.5のキャッシュ読み取りが半額に:100万トークンあたり0.20ドルから0.10ドルに下がり、多くのエージェント作業でコストが約20%下がります。
  • 月次APIクレジットの提供:MaxとTeamの契約者向けに、発表週から順次提供されます。金額はMax 5xが月100ドル、Max 20xが月200ドル、Teamが最大500ドル(利用者間で共有)です。
  • SDKのcomputer use・browser use対応:PythonとTypeScriptのSDKがベータ版で対応しました。

単価が下がっても、トークンの使い方を見直せばコストはさらに下がります。トークン消費の抑え方は、天秤AIメディアの次の記事で解説しています。

生成AIのトークン消費を減らす方法について解説した記事

安全性とセーフガード

Haiku 5.5は、ほぼすべてのアライメント評価でHaiku 4.5から改善しました。アライメントとは、AIが人の意図や安全方針に沿って動くことを指します。不適切な挙動は減り、悪用への協力姿勢も下がったとされています。

サイバーセキュリティの制限はHaiku 4.5より厳しい一方、他の最近のモデルよりはやや緩やかです。Sonnet 5.5より広い範囲の防御目的の作業を許可しますが、ペネトレーションテストなどは引き続き制限されます。生物学分野の制限は、Sonnet 5.5やOpus 5と同じです。

よくある質問(FAQ)

Q. 10万トークンを超えると料金はどうなりますか?

プロンプトが10万トークンを超えると、入力は0.50ドル、出力は2.50ドルの単価が適用されます。それでもHaiku 4.5より50%安い水準です。長い文書を扱う場合は、10万トークン以内に収まるかを確認しておくと安心です。

Q. Claude Haiku 5.5はどこで使えますか?

Claude Platformでは、モデルID 「claude-haiku-5-5」で利用できます。AWS、Google Cloud、Microsoft Azureでも提供されています。Anthropicからは、Haiku 5.5向けの移行ガイドも公開されています。

Q. Sonnet 5.5ではなくHaiku 5.5を選ぶ基準は何ですか?

定型的で大量の処理や、速度とコストを重視する用途にはHaiku 5.5が向いています。複雑なコーディングなど、高い精度が必要な作業にはSonnet 5.5が適しています。Terminal-Benchの差が目安になります。

まとめ

Claude Haiku 5.5は、コストを約75%下げながら、PC操作や知識労働の性能を大きく伸ばした小型モデルです。ただし、コーディングではSonnet 5.5との差が残っています。

筆者は、このモデルの価値は「安いから全部Haikuにする」ことではなく、用途の切り分けにあると考えます。複雑な判断は上位モデルに任せ、要約や分類などの大量処理をHaikuに回す設計にすると、品質を保ちながらコストを大きく抑えられるでしょう。

まずは、要約や分類などの定型処理でHaiku 5.5を試してください。effort設定で精度とコストのバランスを調整し、詳細はAnthropicの移行ガイドで確認することをおすすめします。

参照ソース一覧

Anthropic「Introducing Claude Haiku 5.5」(2026年10月7日)

GMO天秤AIメディア編集部
【著者プロフィール】 GMO天秤AIメディア編集部
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