- 【著者プロフィール】 星川アイナ ほしかわ あいな AIライター
- はじめまして。テクノロジーと文化をテーマに執筆活動を行う27歳のAIライターです。AI技術の可能性に魅せられ、情報技術やデータサイエンスを学びながら、読者の心に響く文章作りを心がけています。休日はコーヒーを飲みながらインディペンデント映画を観ることが趣味で、特に未来をテーマにした作品が好きです。
- 【著者プロフィール】 柳谷智宣 Yanagiya Tomonori 監修
- ITライターとして1998年から活動し、2022年からはAI領域に注力。著書に「柳谷智宣の超ChatGPT時短術」(日経BP)があり、NPO法人デジタルリテラシー向上機構(DLIS)を設立してネット詐欺撲滅にも取り組んでいます。第4次AIブームは日本の経済復活の一助になると考え、生成AI技術の活用法を中心に、初級者向けの情報発信を行っています。
📌 この記事の要約
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Claude公式の無料学習サイトが日本語に対応 『Claude Academy』では、Claude関連製品やAIの基礎を日本語で学べます。
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機能ではなく仕事の困りごとから学べる 職種別のユースケースや10〜15分程度の教材から、実務に近い使い方を探せます。
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必要な教材だけ拾い読みできる 短いチュートリアルから約2.5時間のClaude 101まで、目的に応じて学び方を選べます。
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日本語翻訳はアルファ版 一部の英語表記や英語動画が残るため、必要に応じて字幕などを併用します。
Claudeを仕事で使っていると、機能が増えるスピードに追いつけないと感じることはありませんか。普通にチャットするだけなら難しくありませんが、ProjectsやArtifacts、Skills、Connectors、Cowork、Claude Codeと選択肢が増え、名前は知っているけれど結局どんな仕事で使えばいいのかわからない機能も出てきます。
そんな人にちょうどよさそうなサイトが登場しました。Anthropicが2026年8月20日に公開した『Claude Academy』です。
AIそのものの考え方からClaude関連製品の使い方まで無料で学べて、今回から日本語表示にも対応しています。教材を見るだけならサインインも不要です。無料のClaudeアカウントでサインインすれば、学習状況を保存したり、コース修了時にバッジを取得したりできます。
天秤AIでは以前、前身となる「Anthropic Academy」を紹介しました。当時は英語教材が中心だったため、YouTubeの自動翻訳字幕やブラウザ翻訳を使って学ぶ方法まで解説しています。ところが今回は、その面倒がかなり減りました。
👇Anthropic Academyについて紹介した過去の記事はこちら!
Anthropic Academy完全ガイド|無料で学べるClaude公式コースの始め方と日本語での学習方法
天秤AIメディア
さらに触ってみると、変わったのは表示言語だけではありません。新しいAcademyは、仕事でClaudeを使うための巨大なレシピ集になっているのです。今回は、この「Claude Academy」について詳しく解説します。
Anthropicの公式学習サイトが日本語で読めるようになりました。
「Claudeを勉強するぞ」と構えなくても使える
Claude Academyを開くと、Claude.aiやClaude Cowork、Claude Code、Claude Tag、Claude Platformと、製品ごとの入口が並んでいます。画面上部の「リソース」メニューからは、「コース」「チュートリアル」「ユースケース」「ウェビナー」という4種類の教材にたどり着けます。このうちコースとチュートリアル、ユースケースをまとめた一覧ページには、原稿執筆時点で289件が並んでいました。
ここで面白いのがユースケースです。
一般的なオンライン講座では、第1章は基礎、第2章は応用、と順番に勉強していくことになります。しかし忙しいビジネスパーソンにとって、生成AIを使うためにまず数時間勉強するというのは少々ハードルが高いものです。
Claude Academyでは逆に、来週の予定を整理する、競合する選択肢を比較する、ユーザーからのフィードバックを分析する、デスクトップのファイルを整理するといった、仕事や生活の困りごとから学べます。しかも一覧の上部には職種の絞り込みが並んでいて、マーケティングや営業、製品開発、人事、財務、法務、デザイン、リサーチなどから選べます。所要時間の目安はおおむね10分から15分です。
つまり、Claudeの機能を覚えてから使い道を考えるのではなく、「この仕事を楽にしたいけれど、Claudeにどう頼めばいい?」から学習に取り掛かれるわけです。
私としてはこちらのほうが断然取っ付きやすく感じます。生成AIは、機能名を100個覚えた人より、自分の仕事のどこで使えるかを思いつける人のほうが活用できます。Claude Academyは、その使いどころを大量に見せてくれます。
職種で絞り込めるので、自分の仕事に近い使い方から探せます。
月曜の朝にそのまま使いたい「週の準備を素早く整える」
例えば「週の準備を素早く整える」というユースケースがあります。名前の通り、これから始まる1週間の予定をClaudeに整理してもらう使い方で、所要時間の目安は15分となっています。
これが単に「予定をClaudeにまとめてもらいましょう」という紹介で終わらないのがいいところです。
教材は5つのステップに分かれています。まず頼みたい仕事を説明し、次にClaudeへ渡すコンテキストを用意し、Claudeが作る成果物の実例を見て、続けて聞くとよい追加のプロンプトを知り、最後にコツとつまずいたときの対処を読む、という流れです。
ユースケースの一覧から興味のある項目を選びます。ここでは「週の準備を素早く整える」をクリックします。
このユースケースで使うのは『Microsoft 365』のコネクターです。Outlookのカレンダーから準備が必要な会議や自分に意思決定が求められる会議を探し、受信トレイからは週末に届いたメールや、放っておくと今週中に急ぎになるスレッド、自分の返信待ちで止まっているやり取りを拾います。そのうえで、やるべきこと、1日ごとの組み立て、まだ済んでいない準備、集中して作業する時間、優先度の高いメールと後回しでよいメールの仕分けを1つの文書にまとめる、というところまで書かれています。
考えてみれば、月曜の朝に私たちがやっていることそのものです。カレンダーを開き、水曜の打ち合わせに何か準備が要ったかなとメールを検索し、先週届いた資料を探し、その途中で別のメールが気になって返信してしまう。気が付くと30分経っています。
しかも、頼むためのプロンプトがそのまま載っています。コピーしてClaudeに貼り付ければ、すぐ自分の仕事に使えます。追加のプロンプトも用意されていて、仕分けた結果をもとに急ぎのメールの返信を3本書かせたり、木曜の会議用に1枚の資料を作らせたりできます。
私がいちばん唸ったのは、最後のコツの部分でした。この頼み方が自分に合うと感じたら、そのままスキルとして保存してしまえばいい、と書かれているのです。一度スキルにしてしまえば、次からはどのチャットでも同じ手順で動いてくれます。出力先も文書に限らず、表計算やNotion、自分宛てのSlackメッセージに変えられます。
頼み方の見本がそのまま載っているので、読んだその場で試せます。
上級編は毎朝の業務ブリーフィングをClaudeに作らせる
もう少しClaudeを使い込んでいる人なら、Claude Cowork向けの「ツール全体で日次ブリーフィングを作成する」も面白いでしょう。こちらはSlackやNotionといったツールをClaudeにまとめて見に行かせ、毎朝のブリーフィングを作らせるユースケースです。単に未読を要約するのではなく、自分がメンションされたスレッド、自分は参加していないけれど知っておくべき話題、今週締め切りのタスクと止まっている原因、といった切り口で並べ替えます。
ツールをまたいで情報を関連付けてくれるところに感心しました。教材に載っている出力例では、商談の進行ペースが今週に入って15%低下していることを見つけたあと、Claudeが営業チャンネルのスレッドまで読みに行き、2件の商談が翌四半期にずれ込んだらしい、という背景まで書き出していました。数字が落ちたという事実だけでなく、その理由の見当までまとめてくるわけです。
これは、生成AIに質問して答えてもらう使い方から一歩進んでいます。人間が材料をそろえてClaudeに渡すのではなく、Claude自身に必要な場所を見に行かせ、拾い集め、つなぎ合わせてもらうのです。AIエージェントという言葉はよく聞くものの、自分の仕事で何を任せればいいかわからないという人には、このユースケースを眺めるだけでもイメージがつかめると思います。
「ツール全体で日次ブリーフィングを作成する」の画面です。コンテンツによっては動画も埋め込まれています。
Coworkが動いている間は、いまどのコネクターを調べているのかが画面に表示されます。処理に時間がかかっているときにも、どのサービスがボトルネックになっているのか確認できるのは安心材料でしょう。なお、定期実行するブリーフィングは標準ではAnthropicのサーバー上で処理されます。機密性の高いデータを扱う場合は、対話的なセッションをローカルで実行し、ファイルを自分のパソコンに置いたまま作業する方法もあると教材では説明しています。
もちろん、いきなり社内のSlackや各種サービスを接続する必要はありません。まず自分が毎朝どんな情報を集めているのか、ルーティンを棚卸ししてみるだけでも価値があります。毎日同じサイトを3つ開いている、同じメール検索をしている、と気付いたら、そこはAIに任せられる可能性があります。
数字の変化と、その裏で起きていた会話をつなげて報告してくれます。
基礎から学ぶ入口の「Claude 101」は2.5時間まで増えている
もちろん、順番に体系立てて学びたい人向けのコースもあります。最初のコースが「Claude 101」です。現在は13レッスンとクイズ1本で、所要時間の目安は約2.5時間です。Claudeとの最初の会話やプロンプトの作り方から始まり、ProjectsやArtifacts、Skills、Connectors、Enterprise Search、Researchなどを学んでいきます。最後にはClaude CodeやClaude Tag、Claude Design、Microsoft 365との連携なども登場します。
以前のAnthropic Academyを紹介した際、Claude 101は約1時間の入門コースでした。それがいまは倍以上に増えました。Claudeそのものが、この半年足らずで急激に多機能化したことが教材の分量からもわかります。
入門コース「Claude 101」の画面です。13レッスンとクイズ1本で構成されています。
ほかにも、AIの仕組みと限界を扱う「AIの能力と限界」が13レッスンで約3.5時間、4Dフレームワークを学ぶ「AI活用力:フレームワーク&基礎」が14レッスンで約4時間、開発者向けの「Claude APIを使った構築」にいたっては67レッスンで約9時間あります。コースは全部で22本あるので、端から順にというやり方は現実的ではありません。
すでにClaudeを日常的に使っているなら、必要な部分だけ拾い読みする方法でも十分です。Academyには4分や5分、10分といった短いチュートリアルも数多くそろっています。Skillsって結局何なのか、Coworkと普通のチャットはどう使い分けるのか、と思ったときに、その項目だけ開く読み方でも役に立ちます。
迷ったらトップページの「はじめる」を押してみてください。いくつか質問に答えると、自分に近い学習の道筋を提案してくれます。もうひとつ、AnthropicはGitHubでClaude Academy用のスキルも公開していて、これを入れておくと、いまの仕事の進め方に合わせてClaude自身がコースを薦めてくれます。教材を探す手間が減るうえ、スキルという仕組みの動きを体感する練習にもなるので一石二鳥です。
数百ページある取扱説明書を最初から読むのではなく、困ったときに該当ページを引く。Claude Academyはそんな使い方が合っています。
「はじめる」を押すと表示される質問画面です。回答内容によって示される道筋が変わります。
機能より「AIに何を任せるか」を教えているのが面白い
Claude Academyを見ていると、Anthropicがこれを単なる製品マニュアルにするつもりはないとわかります。
同社の説明によれば、Academyの教材には、社員向けに行っているAI教育の考え方が反映されています。入社初日に4Dフレームワークを教え、その後も継続的に学び直す仕組みを回しているそうです。どの仕事をAIに任せてどの仕事を自分でやるのか、AIがどんな間違いをしやすいのか、成果物をどう確認するのか。Anthropicの社内教育で使っている考え方を、外部向けに展開したのがClaude Academy、と考えるとわかりやすいでしょう。
その考え方を教材に落とし込むにあたり、Anthropicは個別のテクニックから距離を置きました。以前は「これは法務の同僚向けの文章です」と書き添える必要がありましたが、いまのClaudeは必要ならその情報を自分から聞いてきます。モデルが変われば有効だったコツも古びるため、Anthropicはより長く使える考え方のほうへ教育内容を寄せました。
「今日使っているAIは、これから先に使うAIの中でもっとも性能が低い」「失敗したときの損失が大きいほど、検証にも手間をかける」といった判断軸がカリキュラム全体を貫いています。
Anthropicが教材の土台に置いた考え方を並べた図です。機能の暗記から距離を取る方針が見て取れます。
重要度の高い仕事ほどAIの出力を厳しく確認する。機密性の高い文章は人間が書き、要約スライドだけをAIに任せる。データ分析を手伝わせても、最終確認は自分で行う。全部AIにやらせる方法ではなく、どこまで任せるのが適切かを考えさせるわけです。
AIに任せすぎて自分の技能が鈍ることへの注意まで教材に入っているのは、なかなか珍しいと思います。自分にとって大事な技能は意識して手を動かし続けよう、と促しています。さらに、資料や分析にAIをどう使ったかを同僚や取引先に伝える作法まで扱っています。
生成AIを会社で使うなら、実はこちらのほうが大事かもしれません。社員全員にプロンプト集を配っても、どの仕事をAIに渡していいのか判断できなければ活用は進みません。逆にその判断ができるようになれば、新しいAIや新機能が出ても迷いません。4Dフレームワークは特定の製品に依存しない内容なので、ChatGPTやGeminiを併用している現場でも応用できます。
4Dフレームワークは製品に依存しないので、ほかのAIを使う場面にも応用できます。
日本語表示はまだアルファ版という位置付け
日本のユーザーにとって、今回いちばん大きい変化は日本語対応です。前身のAnthropic Academyでは、英語が苦手ならブラウザ翻訳などを併用する必要がありました。新しいClaude Academyは翻訳機能を備えていて、日本語で教材を読み進められます。トップページの「はじめる」や上部の「リソース」、右上の「サインイン」、コース画面の「コースを開始」といったボタンも日本語表記です。コース名も「Claude Cowork入門」や「AIの能力と限界」「AI活用力:フレームワーク&基礎」のように訳されています。
補足
言語の選択欄には、翻訳がまだアルファ版だという注記が入っています。すべてがきれいに日本語化されているわけではなく、一部に英語が残る場合もあります。教材によってはYouTubeの動画が使われていますが、こちらは基本的に英語なので、必要に応じてYouTube側で日本語字幕を設定してください。
専門用語やClaude独自の機能名については、むしろ英語表記も一緒に覚えておいたほうがよいと思います。Claude本体の画面や公式ドキュメントと突き合わせるときも、英語表記を知っているほうが探しやすいでしょう。
もうひとつ注意したいのが、旧Academyのサイトがまだ生きていることです。以前の学習管理システム上のページは8月下旬時点でも稼働しており、検索でそちらにたどり着いてしまうことがあります。停止時期も公表されていません。これから始めるなら、academy.claude.comのほうを開いてください。
修了クイズのあるコースでは、合格するとバッジが発行されます。取得したバッジは学習状況の画面にまとまり、LinkedInへ共有することもできます。社内で学習の取り組みを報告する材料にもなるので、まずは短めのコースでひとつ取ってみると弾みがつきます。
日本語で読めますが、翻訳はまだアルファ版という位置付けです。
全部勉強するのではなく明日の仕事を1つ楽にしてみよう
Claude Academyには大量の教材があります。それを見て、全部やらなければと身構える必要はありません。むしろビジネスパーソンなら、最初に「ユースケース」を開くことをおすすめします。
自分の職種や気になる仕事を選び、これなら使えそうと感じたものを1つだけ試してみてください。カレンダー整理でも、競合比較でも、会議の準備でも構いません。プロンプトも用意されているので、指示文はコピーするだけで済みます。
そこで、なぜこういう頼み方をするのだろうと興味が出たらチュートリアルへ。もっと体系的に理解したくなったらClaude 101へ進めばいいでしょう。この順番なら、勉強してから使うのではなく、使って便利だったから学びたくなるという流れになります。
生成AIは進化が速く、学び直しが前提の道具になりました。新機能が登場するたびにSNSやニュースを追いかけるのも大変です。それなら、ときどき公式のAcademyをのぞいて、最近Claudeには何を任せられるようになったのだろうと探してみるほうが効率的かもしれません。
まずは昼休みに5分のチュートリアルを1本。もしくは、明日の朝にやる面倒な仕事を1つ選んで、それに近いユースケースを探してみてください。Claude Academyは、次にAIへ何を任せようかを探す場所だと思って開くと、ぐっと使いでが出てきます。

