生成AI
Anthropic最強の防御AI「Claude Mythos Preview」とは?
-
-
筆者 天秤AIメディア編集部 / GMO天秤AI株式会社
生成AIの最新情報や使い方ガイド、活用事例などを紹介するメディアです。
AI初心者の方向けの情報からニッチな情報まで発信中!
公開不可の最強防御AIモデルが
世界のサイバーセキュリティを変える
Anthropicは2026年4月7日(米国現地時間)、これまでに開発した中で最も強力なAIモデル「Claude Mythos Preview」を発表しました。ただし、その能力があまりにも強力すぎるため、一般公開はされていません。代わりに、Amazon Web Services、Apple、Google、Microsoftなど世界12社のコアパートナーと、重要インフラを支える40以上の組織に限定して提供されています。
◆ なぜ「公開できない」のか
Claude Mythos Previewは、ソフトウェアの脆弱性を発見・悪用する能力において、人間のトップクラスのセキュリティ研究者をも超えるレベルに達しています。Anthropic自身が「このモデルが悪意ある攻撃者の手に渡れば、大規模なサイバー攻撃が今年中に起きる可能性が大幅に高まる」と米政府高官に警告するほどです。強力すぎるがゆえに、守りのためだけに使う――それがAnthropicの選択です。
◆ 驚異の性能、数字で見るMythos Preview
◎ コーディング能力が業界最高水準に到達
ソフトウェアエンジニアリングの業界標準ベンチマーク(SWE-bench Verified)において、Claude Opus 4.6が80.8%だったのに対し、Claude Mythos Previewは93.9%を記録。13ポイント以上の大幅な向上です。これはAIが実務レベルのコード修正をほぼ自力でこなせる段階に達したことを示しています。
◎ 27年間誰も気づかなかったバグを発見
そのセキュリティの堅牢さで知られるサーバーOS「OpenBSD」において、27年前から存在し、リモートから数パケット送信するだけでサーバーをクラッシュさせられる深刻な脆弱性を発見しました。さらに、複数の脆弱性を組み合わせて一つの高度な攻撃ルート(エクスプロイトチェーン)を自律的に構築できる推論力も持っています。
◎ 人間の手を借りず、自ら動くAI
従来のモデル(Claude Opus 4.6)と比べて、人間のエンジニアによる手動ガイダンスを必要とせず、より多くの実用的なセキュリティ知見を自律的に提示します。過去数週間だけで、主要なすべてのOSとWebブラウザにまたがる数千件のゼロデイ脆弱性をすでに発見しています。
◆ Project Glasswing―守りのための連合
このモデルを防衛目的に限定活用するための枠組みが「Project Glasswing」です。Amazon Web Services、Anthropic、Apple、Broadcom、Cisco、CrowdStrike、Google、JPMorgan Chase、Linux Foundation、Microsoft、NVIDIA、Palo Alto Networksの12社をコアパートナーとして、さらに40以上の組織が参加しています。
参画組織は発見した脆弱性の情報を業界全体と共有することが義務付けられており、一部の企業だけが恩恵を独占する仕組みにはなっていません。 このプロジェクトに対しAnthropicは、Mythos Previewの利用クレジットとして最大1億ドルを提供するほか、オープンソースセキュリティ組織への直接寄付として400万ドルを拠出しています。内訳はLinux Foundation経由でAlpha-OmegaとOpenSSFに250万ドル、Apache Software Foundationに150万ドルとなっており、大企業だけでなく世界中のオープンソースプロジェクトの維持者にもその恩恵が届く設計になっています。
◆ まとめ
- SWE-bench Verifiedで93.9%を記録。Claude Opus 4.6(80.8%)から大幅に向上し、業界最高水準に。
- OpenBSDに27年間潜伏していた深刻な脆弱性や、数千件のゼロデイ脆弱性(開発者が把握していないバグ)を自律的に検出。
- Anthropicは利用クレジット1億ドル+オープンソース団体への寄付400万ドルを拠出し、広範な支援を表明。
- 能力が強力すぎるため一般公開せず、12社・40以上の組織による防衛専用運用に限定。
