生成AIの利用が3カ月で3割減──製造業A社様に起きた反転の記録

生成AIの利用が3カ月で3割減──製造業A社様に起きた反転の記録
古谷達郎 / GMO天秤AI株式会社
著者
古谷達郎 / GMO天秤AI株式会社
ふるや たつろう

GMO天秤AI所属のAIコンサルタント。天秤AIの導入を通じて、企業の生産性向上やAI活用の推進を担当しています。単なるツールの導入にとどまらず、現場の社員の皆様が「主役」としてAIを使いこなせる体制づくりを伴走サポート。

📌 この記事の要約

  • 導入後3カ月で生成AIのチャット利用が約3割減
    製造業A社様では、生成AIのチャット利用が1月155回→3月105回と約32%減少。導入直後の物珍しさが過ぎると、使い方を見つけられない人から順に離れ、「入れただけ」では利用が落ちやすい。

  • 4月中旬以降、利用は約2倍水準へ反転
    4/21のウェビナーと4/27の現場向けAI研修を接点に、チャットは週平均で約2.0倍、AIエージェント実行は約2.5倍超へ。研修後も大型連休の週を除けば高水準が続き、一過性のスパイクで終わっていない。

  • GMO自身も同じ型で業務活用率90.0%に到達
    「測る・使う・根付かせる」という型はGMOインターネットグループ自身が実践してきたもの。2025年3月時点で業務活用率90.0%、1人あたり月32.2時間の業務時間削減を公表している。

  • やることは3つ──測る・使う・根付かせる
    AI実稼働率と利用回数を毎月測り、業務ごとに使いどころとプロンプトを決め、研修後もデータを追って接点を打ち続ける。天秤AI Biz 定着支援サービスはこれを伴走型で回す(月額50,000円〜)。

AIツールを配布して数カ月。「最近、使われている気配が薄い」── そう感じている経営者や推進担当者は少なくありません。実際、当社が支援する製造業A社様でも、生成AIのチャット利用は導入が一巡した後の3カ月で約3割減少していました。導入しただけでは、AIの利用は減りやすい状態になります。

製造業A社様の利用は、4月中旬以降に反転します。チャット利用は週平均で約2倍水準、AIエージェントの実行は約2.5倍超となり、翌月以降も高い水準で推移しました。ツールが変わったわけではありません。4/21のウェビナーと4/27の現場向けAI研修を通じて、使い方を組織に届け、根付かせる接点が生まれたことが変化のきっかけでした。

本記事はこの実データを、3分で読める形にまとめたものです。導入後に利用が落ちたAIが、どのような接点をきっかけに再び使われるようになったのか──数字でご覧ください。

導入後、チャット利用は3カ月で3割減りました

A社様の利用ログがこちらです。チャット利用は1月155回 → 2月115回 → 3月105回。3カ月で約32%の減少です。特別な失敗があったわけではありません。導入直後の物珍しさが過ぎると、使い方を見つけられない人から順に離れていく ── 支援現場でも見られやすい曲線です。

製造業A社様の月次チャット利用回数を示す棒グラフ。1月から3月にかけて減少し約3割減となっている天秤AI Bizの利用ログ(2026年1月〜3月・月次集計)

世界的に見ても、AIで価値を生み出せている企業は一部にとどまります。BCGの2025年調査では、AIで価値をスケールで実現できている企業はわずか5%、6割は投資に見合う価値を得られていません。

このとき静かに増えているのが、「使われていないライセンス費」です。仮に50IDを1ID月3,000円で契約していて、実際に使っているのが4割なら ──

50ID × 月3,000円 = 月15万円
うち約6割・月9万円(年間100万円超)が、使われないまま流れていく計算です

4月中旬以降、AI投資は「使われる状態」へ戻り始めました

製造業A社様の、その後の推移です。利用回数が戻るということは、契約したAIが業務の中で使われる機会が増え、使われないままの投資を減らす方向に動くということです。4月中旬以降、A社様の利用は大きく伸びました。その期間中に、弊社サポートとしてウェビナー(4/21)と、現場業務に合わせたAI研修(4/27)を実施しています。前後の利用曲線をご覧ください。

製造業A社様の週次チャット利用回数を示す棒グラフ。4月中旬以降に水準が上昇し、弊社サポート実施週が特に高い天秤AI Bizの利用ログ(2026年1月〜5月・週次集計)。黄色=弊社サポート(4/21ウェビナー・4/27 AI研修)を実施した週、グレー=大型連休の週。

数字で比べると、1月〜4月第2週はチャット週平均31回・エージェント実行週平均130回。弊社サポートを実施した4月第4週以降(大型連休週を除く)はチャット週平均62回(約2.0倍)・エージェント実行週平均329回(約2.5倍)になりました。月次でもチャットは3月105回→4月260回、大型連休を挟んだ5月も202回です。

注目すべきは、一過性のスパイクで終わっていないことです。研修後も、大型連休の週を除けば利用は以前の約2倍の水準で続いています。「研修をやって終わり」ではなく、業務の中での使いどころが現場に残った、ということです。

研修の中身は、ツールの一般操作ではありません。A社様の実際の業務を題材に、どの業務で・どのプロンプトで・どこまでAIに任せるかを、その場で手を動かしながら覚える設計です。エージェント実行が大きく伸びたのは、「チャットで聞く」から「業務を任せる」へ使い方が一段深くなったことを示しています。

GMO自身も、同じ型で90.0%に到達しています

この「測って、教えて、根付かせる」という型は、当社が所属するGMOインターネットグループ自身が実践してきたものです。2023年3月から全社活用に取り組み、2025年3月の社内調査では、国内パートナー(シフト勤務除く)の業務活用率90.0%、有効回答5,276人ベースで1人あたり月32.2時間の業務時間削減が公表されています。1人あたりの削減時間は計測のたびに増え続けています。

GMOの1人あたり月間削減時間を示す折れ線グラフ。2024年初頭から2025年3月にかけて約27時間から約32時間へ増え続けている出典:GMOインターネットグループ 生成AI活用の定点調査(公開プレスリリース・社内調査回答ベースの推計値)

やることは3つ ── 測る・使う・根付かせる

A社様への支援も、GMOの社内実践も、使っている型は同じです。

  1. 測る ── AI実稼働率と利用回数を毎月見る。減り始めたら、それが打ち手のサインです
  2. 使う ── 業務ごとに使いどころとプロンプトを決める。研修は自社業務を題材に行います
  3. 根付かせる ── 研修後も利用データを追い、落ちてきた部門に次の接点を打ち続けます

天秤AI Biz 定着支援サービスの料金と、30分相談で持ち帰れるもの

天秤AI Biz 定着支援サービスは、この3つを伴走型で回すサービスです。利用状況・AI実稼働率の可視化レポート、業務別のユースケース・プロンプト整備、現場研修、月次の定着レビューまでを含みます。

月額 50,000円〜
※2026年6月時点。対象規模・支援範囲により異なります。詳細は 天秤AI Biz 定着支援サービス をご覧ください。

30分の無料相談 ── その場で、自社の現在地が分かります

売り込みの時間ではありません。30分で、次の3つを持ち帰れます。

  • 自社業務の中でAIを使える場面の整理
  • 利用が止まりやすい部門・業務の見立て
  • 明日から打てる最初の一手の優先順位

注記・出典

  • 製造業A社様のデータは、天秤AI Bizの利用ログ(2026年1月1日〜5月31日、チャット回数・エージェント実行回数の週次/月次集計)に基づきます。企業名は匿名化しています。
  • 4月中旬以降の利用増加は、ウェビナー・AI研修を含む複数の接点前後で見られた変化です。個社ログに基づく事例であり、統計的な因果や同等の効果を保証するものではありません。
  • AI実稼働率は、契約IDのうち月内に一度でも利用されたIDの比率として、当社(GMO天秤AI)が定着状況を見るために用いる管理指標です。
  • BCG「The Widening AI Value Gap」(2025年9月・世界1,250社超のシニアエグゼクティブ)(価値をスケールで実現5%・実質的な価値を得られていない60%)
  • GMOインターネットグループ「生成AIの業務活用率が90.0%に到達」(2025年3月時点・有効回答5,276人)(国内パートナー(シフト勤務除く)の業務活用率90.0%・有効回答5,276人ベースの1人あたり月32.2時間削減。社内定点調査の回答に基づく推計値であり、実測ログによる集計ではありません)