Gemini3.8 FlashとFlash Cyberを同時発表

Gemini3.8 FlashとFlash Cyberを同時発表
GMO天秤AIメディア編集部 / GMO天秤AI株式会社
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📌 この記事の要約

  • Gemini3.8 FlashとFlash Cyberを同時発表
    Googleは2026年9月2日、推論・コーディング性能を高めた「Gemini3.8 Flash」と、サイバー防御に特化した「Gemini3.8 Flash Cyber」を発表。6週間で3度目のFlash系リリースとなる。

  • 料金据え置きでベンチマークは軒並み向上
    料金は3.7 Flashと同じ入力0.75ドル・出力3.75ドル(2026年12月31日まで)。DeepSWE v1.1は65.3%から73.7%へ、HLE-Verifiedは54.9%を記録した。

  • Flash CyberはFairwind Programで限定提供
    脆弱性検出・自動パッチ適用に特化したFlash Cyberは一般提供されず、政府機関や重要インフラ事業者など信頼できる防御側にのみ「Fairwind Program」経由で提供される。

  • 社内活用でも高い実績
    ChromeセキュリティチームやGoogle Cloud脆弱性調査チームでの活用事例、Wizによる検証結果など、社内外での具体的な実力が示されている。

はじめに

2026年9月2日、Googleは新AIモデル「Gemini3.8 Flash」と、サイバーセキュリティ防御に特化した「Gemini3.8 Flash Cyber」を同時に発表しました。

この記事を読むことで、両モデルの違いや性能の進化点、そして自分がどこから利用できるのかがわかります。

Gemini3.8 Flashとは|3.7からの進化点

Gemini3.8 Flashは、Googleがこれまでで最も推論・コーディング性能に優れると位置づける主力モデルです。わずか3週間前に公開された3.7 Flashからの刷新で、6週間で3度目のFlash系リリースとなります。

推論・コーディング性能が向上した理由

性能向上の要因は、Gemini3.8 Flashが「より粘り強く働く」よう設計されている点にあります。複雑な課題に対しては追加の推論ステップを実行し、ツールを繰り返し呼び出します。その分、高い推論レベルではトークン消費が増える場合もあります。

ベンチマークでは、長期的なソフトウェア開発力を測る「DeepSWE v1.1」で73.7%を記録し、3.7 Flashの65.3%から8.4ポイント向上しました。金融アナリスト業務を測る「Vals Finance Agent v2」は61.4%、多分野の専門的推論を測る「HLE-Verified」は54.9%です。

Gemini3.8 Flashと3.7 Flash・Claude Opus 5・Claude Sonnet 5・GPT-5.6 Sol・GPT-5.6 Terraの料金とベンチマークスコアを比較する表出典:Google公式ブログ「Introducing Gemini 3.8 Flash and 3.8 Flash Cyber」(2026年9月2日)

料金は3.7 Flashと同じ据え置き

利用料金は、入力100万トークンあたり0.75ドル、出力100万トークンあたり3.75ドルです。3.7 Flashと同じ導入価格で、2026年12月31日まで適用されます。2027年1月1日以降は、入力1.50ドル、出力7.50ドルの通常価格に移行します。

なお、コスト効率を最優先する用途では、推論レベルを下げるか、引き続きサポートされる3.7 Flashを利用する選択肢も残されています。

Gemini3.8 Flash Cyberとは|サイバー防御特化モデル

Gemini3.8 Flash Cyberは、脆弱性の発見と自動パッチ適用に特化した、Google史上最も高性能なサイバーセキュリティモデルです。3.8 Flashと同じ基盤知能を共有しており、サイバーセキュリティ領域での厳しい訓練が、両モデル共通のコーディング・推論性能の向上にもつながったとされています。

脆弱性検出・自動パッチ適用の実力

脆弱性発見の業界標準ベンチマーク「CyberGym」では、前世代の3.5 Flash Cyberや、より大規模なフロンティアモデルを上回る性能を示しました。20のプログラミング言語にまたがる社内の検証ベンチマークでも、成功率は70%を超えています。

Gemini3.8 Flash CyberのCyberGym Pass@1(C/C++の脆弱性発見)における性能比較。Gemini3.8 Flash Cyberが86.2%で他モデルを上回る Gemini3.8 Flash Cyberの20言語にまたがる社内脆弱性発見ベンチマーク結果。3.8 Flash Cyberが71.0%で3.7 Flash・3.5 Flash Cyberを上回る

パッチ適用能力を測る外部ベンチマーク「CWE-Bench」では、pass@1が47.2%でした。首位モデルの47.8%に迫りつつ、コストは大幅に低く抑えられています。Googleは攻撃側の能力よりも脆弱性の修正を優先して投資してきたと説明しています。

Fairwind Programによる限定提供

Gemini3.8 Flash Cyberは一般提供されていません。新設された「Fairwind Program」を通じて、政府機関や重要インフラ事業者、ソフトウェア保守事業者など、信頼できる防御側にのみ提供されます。

サイバーセキュリティに特化したAIモデルの開発は、Google以外の企業でも進んでいます。

OpenAI新モデルAstraのサイバー能力について解説した記事

Googleの社内活用事例に見る実力

Gemini3.8 Flash Cyberは、すでにGoogle社内のコードを守るために活用されています。Chromeのセキュリティチームでは、はるかに規模の大きい商用モデルと比べて2.6倍多くの正しいパッチを生成できたと報告されています。

また、Google Cloudの脆弱性調査チームは、通常は調査に数カ月かかる重大な基盤的脆弱性を、2時間以内に発見しました。セキュリティ企業Wizの検証でも、他の主要フロンティアモデルと比べて再現率が7.5〜9.7ポイント高く、コストは2.3〜5.2分の1に抑えられたとされています。

Gemini3.8 Flash・Flash Cyberの利用方法(対象者別)

利用対象によって、Gemini3.8シリーズへのアクセス方法は異なります。

  • 開発者:Google AI Studio経由のGemini API、Google Antigravity、Android Studio、Stitchで3.8 Flashを利用できます。
  • 企業:Gemini Enterprise経由で3.8 Flashにアクセスできます。
  • 一般ユーザー:Google AI ProまたはUltraの加入者は、Geminiアプリ、Google検索のAIモード、Googleスプレッドシートで3.8 Flashを利用できます。
  • セキュリティ担当者:政府機関や重要インフラ事業者などは、Fairwind Programに申請することで3.8 Flash Cyberへのアクセスを検討できます。

よくある質問(FAQ)

Q. Gemini3.8 Flashと3.8 Flash Cyberは何が違いますか? 両モデルは同じ基盤知能を共有していますが、3.8 Flashは一般提供される汎用モデルです。3.8 Flash Cyberはサイバー防御向けに緩和されたセーフガード設定を持つため、信頼できる防御側に限定して提供されます。

Q. Gemini3.8 Flashに切り替えるべきですか? 推論やコーディングの精度を重視するなら3.8 Flashが有力です。ただしトークン消費が増える場合があるため、コスト効率を優先する用途では3.7 Flashの継続利用も選択肢になります。

Q. Gemini3.8 Flashの料金はいつまで安いままですか? 導入価格は2026年12月31日まで適用され、2027年1月1日から入力1.50ドル、出力7.50ドルの通常価格に移行します。

まとめ

Gemini3.8 FlashとGemini3.8 Flash Cyberは、6週間で3度目という異例のペースで登場した新モデルです。注目すべきは、サイバーセキュリティ領域での訓練が汎用モデル側の推論・コーディング性能の底上げにもつながったという点でしょう。防御に特化した領域への投資が、モデル全体の実力を押し上げる構図が見えてきています。