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【Anthropic新発表】会話だけでデザイン制作「Claude Design」プロトタイプもスライドも自動生成
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星川アイナ(Hoshikawa AIna)AIライター
はじめまして。テクノロジーと文化をテーマに執筆活動を行う27歳のAIライターです。AI技術の可能性に魅せられ、情報技術やデータサイエンスを学びながら、読者の心に響く文章作りを心がけています。休日はコーヒーを飲みながらインディペンデント映画を観ることが趣味で、特に未来をテーマにした作品が好きです。
柳谷智宣(Yanagiya Tomonori)監修
ITライターとして1998年から活動し、2022年からはAI領域に注力。著書に「柳谷智宣の超ChatGPT時短術」(日経BP)があり、NPO法人デジタルリテラシー向上機構(DLIS)を設立してネット詐欺撲滅にも取り組んでいます。第4次AIブームは日本の経済復活の一助になると考え、生成AI技術の活用法を中心に、初級者向けの情報発信を行っています。
Anthropicは2026年4月17日、Anthropic Labsの新プロダクトとして「Claude Design」を発表しました。
Claudeとの会話を通じて、デザインやインタラクティブプロトタイプ(試作・動作確認用のサンプル)、スライド、1ページャー(1枚で完結する資料)といった洗練されたビジュアル制作物を作成できる研究プレビュー版のツールです。
Claude Pro、Max、Team、Enterpriseの加入者に向けて、同日から段階的に展開が始まっています。
基盤モデルには、ビジョン性能(画像を理解する能力)を強化した最新の「Claude Opus 4.7」を採用。経験豊富なデザイナーにはより広い探索の余地を、デザインの素養がない人にはビジュアル制作の取り掛かりを、それぞれ提供することが狙いです。
- Anthropicが会話型デザインツールを研究プレビュー公開: 2026年4月17日、「Claude Design」が発表され、Claude Pro・Max・Team・Enterpriseの加入者向けに段階展開が始まりました。
- Claude Opus 4.7搭載で幅広いビジュアルを生成: プロトタイプ、スライド、1ページャー、ランディングページ(訪問者が最初に到達するページ)などを会話のみで制作できます。
- ブランドシステムの自動反映と実装までのシームレス連携: コードベース(ソースコード一式)を読み込んで自社のカラーやタイポグラフィを再現。完成後はClaude Codeへ一度の指示で引き渡せます。
- Canvaなど外部ツールとの連携も進行中: 導入企業からは「20プロンプト必要だった作業が2プロンプトに短縮」「1週間のやり取りが1回の会話で完結」といった声が寄せられています。
4月17日、「Claude Design」がお目見えしました。
会話とキャンバスの2画面で進めるデザイン制作の新しい流れ
Claude Designの画面は左右2つに分かれており、左側にチャットインターフェース、右側にキャンバス(作業領域)が配置される構成です。
ユーザーがチャットで作りたいものを説明すると、Claudeがキャンバス上に動くデザインを生成。そこから対話を重ねて完成へと近づけていく仕組みです。
Anthropicのヘルプセンターでは、典型的なフローとして次の5つのステップが紹介されています。
- プロジェクトを作成してスクリーンショットやコードベースなどのコンテキストを追加
- 作りたいものを説明
- Claudeの生成結果を確認
- チャットとインラインコメント(該当箇所に直接書き込むコメント)で反復
- 結果に満足したらエクスポートまたは共有
Anthropicが紹介する効果的なプロンプトの例としては、「地域と製品ラインのフィルター付きで月間収益を表示するダッシュボード」「4画面構成のモバイルアプリ向けオンボーディングフロー」「ヒーローセクション、コード例、価格表を含むAPIプロダクトのランディングページ」「カテゴリに応じた条件付き質問を含む顧客フィードバック収集フォーム」などが並んでいます。
目標、レイアウト、コンテンツ、想定するオーディエンスの4要素を含めると出力が安定しやすく、情報が足りない場合はClaude側から質問を返してくるとのこと。
既存のスライドデッキやドキュメントを添付して同じ雰囲気で作らせる指示にも対応するため、デザイナーでない人でも作りたいものを言葉で説明できれば始められる設計になっているわけですね。
「Claude Design」の起動画面です。
コードベースを読み込みブランドに馴染ませる仕組みと豊富な入力ソース
Claude Designを特徴づけているのが、ブランドシステムの扱い方でしょう。
オンボーディング(初期セットアップ)の段階でClaudeがチームのコードベース(ソースコード一式)とデザインファイルを読み込み、独自のデザインシステムを構築します。
それ以降に作られるプロジェクトでは、自社カラーやタイポグラフィ(書体・文字配置デザイン)、コンポーネントが自動で反映されるため、社内の他デザインと整合性の取れた仕上がりになります。デザインシステムは運用のなかで磨き上げられ、チームが複数のシステムを並行して保つこともできます。
入力ソースの幅も実務を意識した作りです。
- テキストプロンプト
- DOCX、PPTX、XLSXといったドキュメント
- 画像のアップロード
- コードベースの参照
- ウェブキャプチャツールによる自社サイトからの要素取得
ウェブキャプチャツールを使えば、自社サイトから要素を直接取得できるため、本物そっくりのプロトタイプを素早く組み立てられます。
微調整も細やかで、特定コンポーネントへのインラインコメント、テキスト直接編集、Claudeが用意するカスタムスライダーノブによる間隔、色、レイアウトのライブ調整が可能。指示した変更をデザイン全体に広げるよう依頼することもできます。
共有は組織スコープで行われ、閲覧のみ、コメント可、編集可の3段階から権限を選べる仕様となっています。
既存のウェブサイトのGitHubをリンクさせて、読み込ませることもできます。
活用シーンの広がりと、導入企業から寄せられた声
Anthropicが提示する活用シーンは幅広く、職種ごとに次のような使い方が紹介されています。
| 対象 | 活用シーン |
|---|---|
| デザイナー | 静的モックアップを共有しやすいインタラクティブプロトタイプへ変換 |
| プロダクトマネージャー | 機能フローをスケッチしてClaude Codeに引き渡すワイヤーフレーム(画面設計図)制作、複数方向を並行して試すデザイン探索 |
| ファウンダー・アカウントエグゼクティブ | ラフなアウトラインから完全にブランドに沿ったピッチデッキを数分で作成 |
| マーケター | ランディングページ、SNSアセット、キャンペーンビジュアル制作 |
| 上級用途 | 音声、動画、シェーダー(3D描画の色・陰影処理)、3D、AIを内蔵した最先端プロトタイピング |
導入企業からの声もすでに公表されています。
CanvaのMelanie Perkins CEOは、Claude Designから持ち込んだアイデアやドラフトをCanva上で編集可能なデザインとしてそのまま扱える連携に期待を寄せています。
学習プラットフォームBrilliantのシニアプロダクトデザイナー、Olivia Xu氏は、複雑なページを他ツールで再現するには20以上のプロンプトが必要だったところ、Claude Designではわずか2プロンプトで済んだと語り、プロトタイプから本番環境への移行がシームレスになったと証言しました。
DatadogのプロダクトマネージャーAneesh Kethini氏も、会話中にライブでデザインを進められる点を評価し、以前は1週間かかっていたブリーフからレビューまでのやり取りが、いまは1回の会話で完結するようになったと述べています。
Claude Codeへの引き渡し、料金、そして研究プレビューならではの制限
出力面も実務で使える作りです。
エクスポートはZIPファイルのダウンロードをはじめPDF、PPTX、スタンドアロンHTMLに対応し、Canvaへの送信に切り替えることもできます。
実装フェーズへ進む際は、デザインを引き渡しバンドルにまとめてClaude Codeへ一度の指示で渡せるハンドオフ機能が用意されています。ローカルのコーディングエージェント(開発作業を代行するAI)やClaude Code Webにも送ることができ、Anthropicは今後数週間のうちに外部ツールとの連携をさらに広げていく方針を示しています。
- 料金はClaude Pro、Max、Team、Enterpriseの各プランに含まれる
- 追加利用を有効にすれば上限超過後も継続して使える
- ただし、Claude Designの利用量は通常のチャットやClaude Codeとは別建てで管理され、専用の上限枠が設けられている
- 通常の利用枠が残っていても、Claude Designを際限なく使えるわけではない
研究プレビュー版としての制限も明記されており、既知の問題と回避策が公表されています。
| 既知の問題 | 回避策 |
|---|---|
| インラインコメントがClaudeに読まれる前に消えてしまう | コメント本文をチャットに貼り付ける |
| コンパクトビューでの保存エラー | フルビューに切り替える |
| 大規模リポジトリ接続時のラグ | モノレポ(複数プロジェクトを1つにまとめたリポジトリ)全体ではなくサブディレクトリ単位で接続 |
| チャットのアップストリームエラー | 新しいチャットタブを開き直す |
プロトタイプから実装までの距離を縮める選択肢として、早めに触れて自社の業務と馴染むかを見極める価値のあるプロダクトと言えそうです。

会話ひとつでデザインから実装までを繋ぐ、新しいワークフローの入り口です。
