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リアル感と編集力が飛躍的に進化!Midjourneyの新機能が画像制作環境を革新する
執筆:相坂ソウタ 編集:柳谷智宣
テキスト入力だけで驚くほど美しく芸術的な画像を生み出せる生成AI「Midjourney」は、近年、世界中のクリエイターやビジネスパーソンから熱い視線を集めています。かつてはDiscord上で利用する方法が主流でしたが、2024年8月にWeb版をリリースしたことで、誰もがより直感的かつスピーディに高品質な画像を生成できるようになりました。今回は、Midjourneyの特徴、料金プラン、そして実際の操作方法やビジネス活用のヒントを深く解説します。

Midjourney Web版がリリースされ、より手軽に利用できるようになりました。
直観的な操作で画像生成を加速させるMidjourneyとは何か
MidjourneyはChatGPTやGeminiなどの生成AIがテキストチャットに特化する一方、テキストを軸にした画像生成能力で注目されるサービスです。これまで、Discordを通じてコマンドを入力し、画像を生み出す手法が主流でしたが、新たにWeb版が加わり、その手順が大幅に簡素化されました。構図やスタイルなどを指示するプロンプトを英語で入力すると、わずか数十秒で4枚の候補画像を得られます。
これまではコマンドを入れていた解像度やアスペクト比の調整も、Web版ならスライダー操作で変更できます。プロンプトの再利用や参照画像の添付も直感的に行えるうえ、ズームアウトと言った高度な機能も利用できます。

Web版でアスペクト比やスタイルを簡単に設定できる操作画面。
柔軟な利用プランでビジネス活用をサポート
Midjourneyは現在は有料プランが基本となっています。月額約10ドル(年間契約で月約8ドル)からのBasic Planは、ライトユーザーや個人クリエイターに適し、画像生成回数は制限がありますが、初めて使うには十分なボリュームです。
ビジネスレベルで活用するなら、リラックスモードで無制限に生成できる月額30ドルのStandardや月額60ドルのProプランを検討するとよいでしょう。Proプラン以上では、プロンプトをステルスモードで扱えるため、極秘プロジェクトやクライアントワークにも適しています。また、生成画像の商用利用も認められており、広告用ビジュアル、EC商品画像、プレゼン用資料まで幅広い用途に対応可能です。

Midjourneyのプライスです。ビジネスで使うならスタンダード以上がお勧めです。
機能1:テキスト入力で自在なビジュアル表現を実現する操作方法
Midjourney最大の魅力は、プロンプトと呼ばれるテキスト指示で思い通りの画像を生成できる自由度です。例えば「青い花をくわえた子犬をリアルな画風で」と入力すれば、わずか数十秒で複数の候補が生成されます。絵画調やアニメ風、SF的な背景など、スタイルや世界観も英語で条件を追加すれば明確に反映されます。
再生成やバリエーション生成、さらに画像の一部だけを再描画するインペイント機能まで、操作はWeb上のエディターで直感的に扱えます。生成結果に満足できない場合でも、花の色やサイズ、構図などをわずかに変え、何度でも試行を繰り返せるため、短時間で理想に近づけることが可能です。ビジネスで社内プレゼン用イメージを整えたり、広告クリエイティブ用のベース画像を仕上げたりといった作業で大きな効果が期待できます。

現実にはあり得ない画像もリアルに生成してくれます。
機能2:画像を元に新たなクリエイションへ発展させる拡張性
Midjourneyは、テキストだけでなく、参考となる画像をアップロードし、そのスタイルや構図を反映させた新たなビジュアルを生み出せます。すでに手元にある写真をベースに、絵画調やコミック風に変換したり、背景を広げたりできるため、既存リソースの再活用にぴったりです。
また、Style Reference(sref)機能を使うことで画風を真似たり、 Character Reference(cref)を使うことで同じ顔の人物を生成することができます。画像生成AIはガチャのようにたくさん出力して、望んだ画像が得られるかどうかは運任せ、というところがあります。しかし、これらのリファレンス機能を活用することで、ある程度狙った画像を生成させることができるのです。

キャラクターを参照させることでガチャ要素を抑制することができます。
機能3:検索やフォルダ機能で大量の生成結果を管理
プロジェクトが進むと、生成画像の数はどんどん増えていきます。Midjourneyはキーワード検索やお気に入り登録、フォルダ作成機能で成果物を整理できます。画像のテーマ別にフォルダを分け、後から関連ビジュアルを迅速に呼び出せるのです。インスピレーションに詰まった時には、他ユーザーが生成した公開画像を検索し、プロンプトを参考にすることも有効です。ビジネスでは複数案件を同時進行するケースが多いので、管理機能が追加されたのはありがたいところです。

プロジェクトごとに生成した画像を管理できます。
注意点やデメリットにも配慮が必要
Midjourneyで生成した画像はユーザーの所有物となります。しかし、類似アートワークから学習したモデルゆえ、完全オリジナル性や法的トラブルへの不安は拭いきれません。また、プロンプトが曖昧だと意図と異なる結果が出ることもあります。英語で細かく指定するスキルや、法的リスクへの注意、十分な下調べが求められるでしょう。
とは言え、人間が作業する場合でも、取引先が納品してきたり、部下が提出してきた画像を自社のコンプライアンスに照らしてチェックするフローは発生するので、それと同じことをすればよいだけです。
まとめ:革新的な画像生成でビジネスと創造性を高めるMidjourney
Midjourneyは、Web版リリースにより操作性が格段に向上し、初心者からプロまで、あらゆる層のユーザーがデザイン領域に手を伸ばせる環境を整えました。その直感的な操作と高品質な画像生成能力は、広告制作やプロダクトデザイン、プレゼン資料作成など、多彩なビジネスシーンで活躍してくれます。法的な配慮やプロンプト精度の向上といった課題は残るものの、Midjourneyは創造性を加速させるパートナーとして、次世代のビジュアル表現を切り拓く存在といえるでしょう。