生成AI

プロンプト集を超えて成果に直結する!DeNA流のビジネス特化型生成AI活用100選

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プロンプト集を超えて成果に直結する!DeNA流のビジネス特化型生成AI活用100選
星川アイナ(Hoshikawa AIna)AIライター

星川アイナ(Hoshikawa AIna)AIライター

はじめまして。テクノロジーと文化をテーマに執筆活動を行う27歳のAIライターです。AI技術の可能性に魅せられ、情報技術やデータサイエンスを学びながら、読者の心に響く文章作りを心がけています。休日はコーヒーを飲みながらインディペンデント映画を観ることが趣味で、特に未来をテーマにした作品が好きです。


柳谷智宣(Yanagiya Tomonori)監修

柳谷智宣(Yanagiya Tomonori)監修

ITライターとして1998年から活動し、2022年からはAI領域に注力。著書に「柳谷智宣の超ChatGPT時短術」(日経BP)があり、NPO法人デジタルリテラシー向上機構(DLIS)を設立してネット詐欺撲滅にも取り組んでいます。第4次AIブームは日本の経済復活の一助になると考え、生成AI技術の活用法を中心に、初級者向けの情報発信を行っています。


2025年12月23日、DeNAは自社におけるエンジニア職やビジネス職、クリエイター職の活用方法が詰まった100事例のスライドを公開しました。ユーザー登録なども不要で、誰でも無料でダウンロードできる太っ腹な対応です。

ChatGPTのプロンプト集といったものではなく、実際にどんなAIサービスを活用し、どんな課題を解決し、どのくらいの成果を上げたのかが具体的に記載されています。ビジネスの最前線でAIを活用するためのヒントが満載でビジネスパーソン必見です。

この「AI活用100本ノック」のスライドはDeNAのウェブサイト(https://fullswing.dena.com/pdf/AI_100tips_slide.pdf)からダウンロードできます。今回は、この中から私も実践している、超おすすめ活用法をいくつかピックアップして紹介します。私はコードを書かないので、プログラミング系の活用法はピックアップしていません。興味を持たれたら、ぜひ上記サイトから元スライドをチェックしてみてください。


DeNAが公開したAI活用100本ノックのスライド表紙

DeNAが無料で公開した「AI活用100本ノック」です。

調査・分析を劇的に深化させる「Deep Research」活用術

ビジネスにおいて「調査」は避けて通れない業務ですが、Google検索で上位のページをいくつか眺めるだけでは不十分なケースが増えています。ここで注目したいのが、より深く、広範囲に情報を探索・統合してくれる「Deep Research」機能の活用です。

例えばマーケティングの現場では、ネット上の膨大な口コミ分析に威力を発揮します(009)。従来、ソーシャルメディアの声を網羅的に拾い上げて分析し、レポートを作成するには数時間を要しましたが、Deep Researchを使えば、トピックごとの要約まで含めてAIが一気に行い、作業時間を数十分の一に短縮可能です。また、定量データだけでは見えてこないイベントアンケートの自由記述分析(050)においても、集計シートとイベント概要を読み込ませるだけで、AIが分析観点を洗い出し、レポート作成まで完遂してくれます。

さらに強力なのが、グローバル展開や法規制の調査です(027)。現地の言語や事情に精通していなくても、Deep Researchに法令や要請の内容、他社の対応状況を調査させることで、広く浅く概況を把握する「一次調査」が瞬時に完了します。人間がいきなり専門的な文献を読み込む前にAIに下調べをさせることで、アタリをつける時間を大幅に節約できるのです。

そして、このDeep Researchで生成されたレポートをさらに活用する「合わせ技」も紹介されています(067)。調査レポートを後述する「NotebookLM」に読み込ませ、ポッドキャスト風の音声解説を生成させるのです。まず耳から概要をインプットし、その後に詳細なレポートを読むことで、難解なトピックや新しい分野の学習効率が劇的に向上します。単なる検索ではなく、AIを優秀なリサーチャーとして雇う感覚で使うのがポイントです。


GeminiのDeep ResearchとNotebookLMを組み合わせた活用例のスライド

67本目、GeminiとNotebookLMの合わせ技が便利です。

「NotebookLM」で資料を"対話できる知識"に変える

Googleが提供する「NotebookLM」は、アップロードした資料の内容に基づいて回答してくれる、いわゆるRAG(検索拡張生成)を手軽に実現できるツールです。DeNAの事例では、単なる要約ツールとしてだけでなく、情報のアクセシビリティを高めるために徹底活用されています。

基本となるのは、Webサイトや社内規定の読み込みです(001、048)。URLやマニュアルを登録するだけで、その内容に基づいた「専用AIチャット」が完成します。例えば「セキュリティ相談AI」を作成すれば、社員は膨大なマニュアルから該当箇所を探すことなく、チャットで質問するだけで即座に正解にたどり着けます。これは24時間365日稼働するヘルプデスクとして機能し、管理部門の問い合わせ対応工数を大幅に削減します。

ユニークなのは「音声概要(Audio Overview)」機能の活用です(010、077、092)。難解な法令解釈や、100ページにも及ぶマニュアル、あるいは勉強会の資料をNotebookLMに読み込ませ、二人のAIパーソナリティが会話形式で解説する音声を生成させます。この音声を「ポッドキャスト」として移動中に聞いたり、勉強会の冒頭で流したりすることで、読むのが億劫な資料のインプットハードルを下げています。発表者の準備負担をゼロにしつつ、参加者の理解度を高める優れた手法です。

また、会議の議事録活用も定番です(006)。文字起こしテキストを集約し、要約や次回のアジェンダ作成を自動化するだけでなく、口頭で説明した環境構築手順を文字起こしして読み込ませ、Q&A対応可能な「Readme」として共有する(043)など、フロー情報をストック情報へ効率的に変換するハブとして機能しています。さらに、マインドマップ機能を使って企画の検証項目を可視化する(007)など、思考整理ツールとしての側面も見逃せません。


NotebookLMを活用して社内勉強会の発表資料と音声を生成した事例

社内勉強会の発表資料を音声も含めて生成AIで作成し、準備負荷をゼロにしました。

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「Gem」で業務を標準化し、AI人格を使い分ける

「Gem(ジェム)」とは、Geminiにおいて特定の指示や人格(ペルソナ)を事前に設定し、再利用できる機能のことです。毎回長いプロンプトを入力する手間を省くだけでなく、チーム内で「優秀なAI社員」を共有・複製できる点に大きな価値があります。

最も分かりやすい効果は「業務の標準化」です。例えば、SNSやアプリ通知などの告知文作成において、共通の「型」をGemとして登録しておけば(042)、誰が使ってもブランドイメージに沿った高品質な文章が生成されます。同様に、スライドの校正作業においても、チェック観点や「固有名詞はWeb検索して確認する」といったルールを組み込んだGemを用意することで(053)、属人化しがちなチェック品質を均一化し、数時間がかりの作業を数分に短縮しています。

さらに面白いのが「人工人格」の生成です。マーケティングのリサーチデータを読み込ませて対話可能なペルソナを作成し(070)、ターゲットユーザーそのものと対話するようにアイデアを壁打ちしたり、自身の身体データや目標を入力して専属AIパーソナルトレーナーを作成し(079)、食事管理やメンタルケアまで任せたりといった活用がされています。

また、生成AI自体の品質を高めるための「メタ的活用」も紹介されています(082)。自分が書いたプロンプトをレビューし、改善案を提示してくれる「プロンプトレビュー用Gem」を作成することで、AIを使うスキル自体をAIにコーチングしてもらうというわけです。その他、デザイン素材のモチーフが利用規約に抵触しないか診断するGem(089)など、専門知識が必要な判断業務をサポートさせる使い方も、リスク管理の観点から非常に参考になります。


Gemを使ったプロンプトレビュー機能の活用例

プロンプトレビューは、プロンプトエンジニアリングの学習にも効果があります。

テキストの壁を超える「マルチモーダル」なAI活用

生成AIの進化において見逃せないのが、テキストだけでなく画像、音声、動画を同時に理解・生成できる「マルチモーダル」機能です。DeNAの事例では、言葉で説明しづらい情報を視覚的に伝える、あるいは視覚情報をデータ化するためにフル活用されています。

例えば、手書きのメモやホワイトボードの写真を撮ってAIに渡し、それをFigmaやdraw.ioで編集可能なデータ形式に変換させる活用法(054)。これにより、アナログなアイデア出しからデジタルでの清書までのタイムラグが消滅します。また、イベントのチラシやスクショを送りつけて「カレンダーに入れて」と頼むだけで予定登録を完了させる(016)といった、個人の事務作業効率化もすぐに真似できるテクニックです。

動画の活用も進んでいます。業務引継ぎの際、わざわざマニュアルを書かなくても、Zoomなどで画面操作を録画し、その動画をAIに渡して手順書を生成させる(094)ことで、ドキュメント作成の工数を激減させています。逆に、学習用コンテンツとして動画を生成する事例もあります(086)。ゲーム開発における「音ズレ」のような、言葉では伝わりにくい不具合事例を、AIでわざと再現した動画を作成して研修で見せることで、新人の理解度を飛躍的に高めています。

さらに、BGM制作の現場では、言葉で伝えにくいサウンドのイメージを共有するために、まずAIでイメージに近い画像を生成し、それに合ったBGM付きのラフ動画を作らせてすり合わせを行う(093)など、クリエイティブの「共通言語」としてAI生成物が機能しています。勉強会動画から専門用語集を自動生成する(005)事例も含め、非言語情報をAIでハンドリングすることで、コミュニケーションコストを大幅に下げているのが特徴です。


生成AIで作成した音ズレ再現動画の活用事例

本物の音ズレ動画は機密なので、生成AIを活用しました。

ビジネスの「壁打ち相手」としてのGemini活用

特定の機能に頼らずとも、通常のチャット画面におけるGeminiとの「対話」そのものが、強力なビジネスツールになります。DeNAの事例を見ると、AIを単なる「検索機」ではなく、思考を整理し、成果物を生み出すための「壁打ち相手」として扱っていることがわかります。

資料作成のシーンでは、AIが八面六臂の活躍を見せます。100ページに及ぶ資料の構成変更を行う際に、まずはAIに目次を作成させて全体像を把握し、入れ替え案を相談する(044)。書き出した箇条書きからスライド構成案を作り、会社のテンプレートに沿ったパワーポイント資料として出力させる(076)。あるいは、複雑なスプレッドシートのデータを読み込ませて整理・整形させたり(046)、週報のためにTODOリストから完了タスクを抽出させたり(072)と、面倒な単純作業を一任することで、人間は「中身」の検討に集中できます。

企画やアイデア出しのフェーズでも、AIは優秀なパートナーです。企画要件を伝えてモックアップの構成案を出してもらう(018)、コピーライターの視点でキャッチコピーを分析・考案してもらう(019)、あるいは分析結果の数値データから、各クラスターのネーミング案を考えてもらう(059)など、0から1を生み出す苦しみをAIが分担してくれます。

そして重要なのが「レビュー」です。Google Meetで口頭レビューを行い、その議事録と資料をAIに読み込ませて改善点を深掘りする(064)という手法は、レビューの質と速度を劇的に向上させます。一人で新規企画を立案する際も、調査から資料作成までの全工程でAIツールを使い分けることで、たった一人でも短期間で質の高い提案まで持ち込むことが可能になります(095)。AIを「部下」や「同僚」のように扱い、対話を重ねることで、ビジネスのアウトプットは飛躍的に高まります。


Geminiを活用した議事録作成と業務効率化の事例

議事録の作成は生成AI活用の定番ですね。

生成AIを「魔法」ではなく「文房具」として使い倒す

今回紹介した事例に共通しているのは、AIをボールペンや電卓と同じ日常の文房具として扱っている点です。特定の天才が凄いプロンプトを書いているのではなく、組織全体で「これに使ったら楽になるかも?」という小さな実験を繰り返しているので、誰でも参考にできるのが凄いですね。100個もの事例が集まること自体が、AI活用が特別なイベントではなく、日常業務の一部として浸透している証だと思います。

私たちに求められているのは、AIを完璧に使いこなす勉強をすることではありません。まずはこの資料の中から「自分の今の仕事に似ている事例」を一つでいいので見つけ、真似してみることです。型から入るのは、最も効率の良い学習方法です。100の事例はまさに「宝の地図」です。ぜひ元資料をダウンロードして、あなたの業務を変える最初の活用法を見つけてください。

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