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天秤AIに搭載されたClaude 3.7 Sonnetの活用方法と新機能の全解説

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天秤AIに搭載されたClaude 3.7 Sonnetの活用方法と新機能の全解説
星川アイナ(Hoshikawa AIna)AIライター

星川アイナ(Hoshikawa AIna)AIライター

はじめまして。テクノロジーと文化をテーマに執筆活動を行う27歳のAIライターです。AI技術の可能性に魅せられ、情報技術やデータサイエンスを学びながら、読者の心に響く文章作りを心がけています。休日はコーヒーを飲みながらインディペンデント映画を観ることが趣味で、特に未来をテーマにした作品が好きです。

天秤AIに搭載されたAnthropicの最新AIモデル「Claude 3.7 Sonnet」の活用方法

 2025年3月5日、天秤AIで「Claude 3.7 Sonnet」モデルが利用できるようになりました。Claude 3.7 Sonnetは、Anthropic社の最新AIモデルです。前モデルのバージョン3.5から0.2しか増えていませんが、実は高い推論能力とコーディング能力を備えているのが特徴です。世界初のハイブリッド推論モデルで、前モデルのClaude 3.5 Sonnetは当然のこととして、中国製AI「DeepSeek R1」を超え、OpenAIの推論AIモデル「o1」と同等の性能を備えています。今回は、この「Claude 3.7 Sonnet」について紹介します。

Anthropicの最新AIモデルClaude 3.7 Sonnet

2月25日、Anthropicから最新AIモデル「Claude 3.7 Sonnet」がお目見えしました。

最新AIモデル「Claude 3.7 Sonnet」の位置づけ

 米Anthropicが開発するAIアシスタント「Claude」シリーズは、OpenAIのChatGPTに対抗するライバルとして日々進化しています。2023年に初めてモデルが公開された後、同年7月には「Claude 2」という大規模言語モデルがリリースされました。このモデルは10万トークンもの長い文章を処理できる点や、安全性に配慮した設計で多くの人の注目を集めました。

 2024年になると、第3世代のClaudeシリーズとしてClaude 3 OpusやClaude 3.5 Sonnetが登場し、コードを書く能力や画像を理解する能力が大きく向上しました。そして2025年2月、Anthropicは現時点で最も高性能なモデルとなる「Claude 3.7 Sonnet」を発表しました。前のモデルからさらに改良を加えた新しいフラッグシップで、AmazonやGoogleから投資を受けるAnthropic社が、競争の激しい生成AI市場でリードするために投入した最先端モデルです。

 Claude 3.7 SonnetはFree(無料)プランからEnterpriseまですべてのプランで利用できます(ただし後で説明する「拡張思考」モードは有料プランのみ)。

 API利用料金も入力100万トークンあたり3ドル、出力100万トークンあたり15ドルと据え置かれています。これはOpenAIの推論モデル「o1」の価格(入力100万トークン15ドル、出力60ドル)と比べるとかなり安く、コスト面でも優位性があります。

Claudeの画面でモード切替

AIモデルを選択するメニューから「Normal(標準)」モードと「Extended(拡張思考)」モードを切り替えられます。

「Claude 3.7 Sonnet」のハイブリッド推論モデルとは

 Claude 3.7 Sonnetが「ハイブリッド推論モデル」と称される所以は、1つのモデル内に高速応答と深層推論の二つのモードを統合している点にあります。通常の大規模言語モデル(LLM)は入力に対し素早くテキストを生成する能力に優れますが、複雑な問題を解く際の推論過程(チェイン・オブ・ソート=思考の連鎖)をユーザーに示すことはありません。

 これに対しClaude 3.7 Sonnetは、ユーザーの選択に応じて標準モードと「拡張思考モード」を切り替えられる設計になっています。標準モードでは従来のLLMと同様に即座に回答を返しますが、拡張思考モードに切り替えると回答を出す前に内部で熟考し、問題を段階的に解決していきます。この自己省察に基づく段階的推論のプロセスは回答と共にユーザーに見える形で提示されるため、モデルがどのように考えて結論に至ったかを検証できます。

 拡張思考モードを有効にしたClaude 3.7 Sonnetは、数学や物理の問題、プログラミング課題、長文の読解・分析など高度な論理推論が要求されるタスクで性能が大幅に向上します。

 一方、標準モードでは応答速度が重視され、通常のチャットボット同様に短時間で回答が得られます。ユーザーは問いに応じて「即答の速さ」と「じっくり考えた質」を選択できるわけです。この切り替えはClaude.ai上のUIやAPIのパラメータで簡単に行うことができます。

Claude 3.7 Sonnetの拡張思考モード

Claude 3.7 Sonnetの拡張思考モードは、従来のClaude 3.5 Sonnetでは回答できなかった問題も解くことができます。

拡張思考モードと高度な機能

 開発者向けのAPIではこの考える長さを数値で細かく制御できます。たとえば「Nトークン以上は考えない」などと上限を設定すれば、長考しすぎて応答が遅くなるのを防ぎつつ、ある程度の深さまで推論させるといった調整が可能です。Nの上限はモデルの出力最大長である12万8000トークンまで指定でき、大量のトークンを費やした綿密な推論も要求できます。拡張思考モードで使用されるトークンもすべて出力トークンとしてカウントされますが、前述の通り料金は据え置きのためコスト面での心配も少ないでしょう。

 Claude 3.7 Sonnetは最大12万8000トークン(約10万字以上)という非常に長い応答を生成でき、前世代より約15倍も長くなっています。デフォルトでも6万4000トークンの出力が可能なので、大容量のコードや文章の生成といった用途で威力を発揮します。文脈の入力可能長(コンテキストウィンドウ)は従来通り20万トークンで、長大なドキュメントや複数の資料を丸ごと読み込ませた上での解析も行えるため、企業のデータ分析やレポート作成にも有用です。

 また、Claude 3.7 Sonnetは画像やグラフなど視覚情報の理解能力(マルチモーダル対応)も備えています。グラフ読解や画像内テキストの認識(OCR)といったビジョン機能を活かしてチャートの解釈や画像データからの情報抽出が可能です。

「Claude 3.7 Sonnet」のコード生成能力と「Artifacts」機能との組み合わせが便利

 Claude 3.7 Sonnetは特にコーディング(プログラミング)分野で大幅な性能向上が報告されています。Anthropicによると「あらゆるテストでClaudeがコード能力でトップクラスの結果を示した」とのことで、複雑なコードベースの扱いやツール使用の面で大きく進化しています。

 このコード生成能力はClaudeが搭載する「Artifacts(アーティファクト)」機能と組み合わせることでさらに便利に活用できます。Artifactsとは、ユーザーがClaudeにコードスニペットや文章、ウェブサイトのデザインなど具体的なコンテンツ生成を依頼した際に、対話ウィンドウとは別枠でその成果物を表示・編集できる機能です。言わばAIが作成した「成果物」をサイドバーのような専用ペインに表示する仕組みで、チャット画面と生成物が分離されるため大きなコードや長文ドキュメントでも扱いやすくなります。

 このArtifacts機能は2024年6月にプレビュー版が公開されて以降ユーザーから好評を博し、2024年8月にはClaude.aiの全ユーザーに開放されました。以降、多くの開発者がコードスニペットからプロット図、ダッシュボードに至るまで様々な成果物をClaudeに生成させ活用しています。

 試しに、「ハングマンという英単語当てゲームを作成してもらうプロンプトをパラグラフで考えてください」と指示してプロンプトを考えてもらい、拡張モードを有効にして入力してみました。すると、Artifactsでコードが勢い良く生成され、一発でゲームが起動しました。実際にプレイしてみましたが、きちんと動いていて驚きました。

 従来のチャットAIでは長大なコードを扱うと会話欄が埋め尽くされ管理が煩雑になる懸念がありましたが、Artifactsによりプロジェクト単位でコードを整理して受け取れるのはとても便利です。

Claudeでのコード生成例

シンプルなプロンプトからコードを生成してくれます。

Artifacts機能のデモ

Artifacts機能により、生成したコードを実際に表示・動作させることができます。

GitHub連携機能

 加えて、Claude.ai上でもGitHubリポジトリとの連携機能が全ユーザーに開放されました。自分のプロジェクトコードをClaudeに読み込ませたり、修正を提案させたりできます。Claude 3.7 Sonnet自体が従来モデルより開発者の意図を深く汲み取れるよう進化しており、ユーザーの手元のコードや企業内のコードベースを理解させれば、バグ修や、新機能の実装、ドキュメント生成まであらゆる工程で活用できそうです。

GitHubとの連携

自分のGitHubアカウントと連携し、リポジトリを選べるようになります。

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天秤AIでClaude 3.7 Sonnetを無料で使う方法

 3月5日、「天秤AI」にもClaude 3.7 Sonnetが搭載されました。従来通り、AIモデルから選択すれば利用できます。もちろん、複数のAIを選択するうちの一つとしても使えます。消費クレジットもClaude 3.5 Sonnetと同じく1となっているので、無料プランのユーザーでも1日に数十回利用できます。

 有料のPlusプランのユーザーであれば、画像ファイルをアップロードして処理してもらうことも可能です。この場合も消費クレジットは1のままです。また、現在(3月7日)のところ、利用できるのは標準モードのみとなります。

 試しに、天秤AIでClaude 3.5 SonnetとClaude 3.7 Sonnetを選択し、「9.11と9.9はどちらが大きいですか?」と聞いてみました。Claude 3.5 Sonnetはこれまでと同様間違え、Claude 3.7 Sonnetも危なかったのですが、最後に見直しをして正解にたどり着きました。

Claudeの応答比較

Claude 3.5 Sonnetよりも賢くなっています。

画像理解能力の実用例

 次に、Anthropicが公開しているベンチマークスコアの画像を読み込ませ、インサイトを分析してもらいました。きちんと画像内の文字を認識したうえで、内容を理解し、3項目にまとめてくれました。

 難解な表組や図解はClaude 3.7 Sonnetにかみくだいて説明してもらうのはとても便利なので、ぜひ試してみてください。

まとめ

 以上のように、AnthropicのClaude 3.7 Sonnetは、応答スピードと深い推論能力を両立させたAIアシスタントです。ハイブリッド推論モデルという革新的アプローチにより、必要に応じて即答も長考もできる柔軟性を備え、コード生成やデータ分析といった実務タスクで卓越したパフォーマンスを発揮します。

 公式サイトに加えて、大手クラウド経由で提供が始まったことで、個人から企業まで幅広いユーザーがこの先端AIにアクセスできるようになりました。拡張思考モードやArtifactsなどの機能を賢く活用すれば、Claude 3.7 Sonnetはまさに頼れるAIパートナーとして、私たちの創造性や生産性を大きく引き上げてくれるでしょう。天秤AIでも、今後のアップデートでClaude 3.7 Sonnetの拡張思考モードに対応する予定です。


この記事の監修

柳谷智宣(Yanagiya Tomonori)監修

柳谷智宣(Yanagiya Tomonori)監修

ITライターとして1998年から活動し、2022年からはAI領域に注力。著書に「柳谷智宣の超ChatGPT時短術」(日経BP)があり、NPO法人デジタルリテラシー向上機構(DLIS)を設立してネット詐欺撲滅にも取り組んでいます。第4次AIブームは日本の経済復活の一助になると考え、生成AI技術の活用法を中心に、初級者向けの情報発信を行っています。

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