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AI(人工知能)技術の進化により、私たちの生活やビジネスのあり方が大きく変わりつつあります。
そんなAIの中でも高い能力で注目を集めているのが、 Anthropic社が開発した生成AI「Claude(クロード)」 です。
Claudeは「ChatGPT-4を超える」とも言われており、具体的にどのような点が異なるのかが気になっている方も多いでしょう。
そこでこの記事は、Claudeの特徴や使い方、活用例、ChatGPT-4との違いなどについて解説します。
Claudeを効果的に活用することで、業務効率の向上やよりクリエイティブな作業ができるようになるでしょう。ぜひ記事を最後までチェックしてみてください。
Claude(クロード)とは

OpenAI社のChatGPTやGoogleのGeminiと同じく、チャット形式でAIに質問や指示(プロンプト)を入力することで質疑応答や文章生成などができます。
Anthropic社はOpenAI社の元幹部が独立して2021年に設立した会社ですが、2023年には生成AIを提供する主要4社としてアメリカ政府から認められました。
たった2年足らずで生成AI関連市場の中心的存在まで上り詰めたことから多くの注目を集めています。
2024年3月には、新しいモデルの「Claude 3」が公開されました。
- Opus
- Sonnet
- Haiku
Claude 3には上位からOpus、Sonnet、Haikuがありますが、2024年6月には中位モデルである「Sonnet」に「Claude 3.5 Sonnet」が登場し、現在の最新モデルです。(2024年8月現在)
3.5 Sonnetの性能は、上位モデルのOpusやOpenAI社のGPT-4oをも上回ると言われています。
Claudeの料金プラン
Claudeには無料版と有料版のプランがあります。
プラン | 料金 | 特徴 |
---|---|---|
Freeプラン | 無料 |
|
Proプラン | 20ドル/月 |
|
Teamプラン | 25ドル/月 (請求は年額。月払いの場合は月額30ドル。最低5人のメンバーが必要) |
|
基本的な機能は無料版のFreeプランで利用できますが、HaikuやOpusを使用したい場合はProプランもしくはTeamプランに加入する必要があります。
現在の最新モデルである3.5 Sonnetは、回数制限はあるものの無料版でも利用できるため、Claudeの機能を確かめてみたい方はまずは無料版から試してみるのがおすすめです。
Claudeの特徴

- 日本語の自然な文章を生成できる
- 無料で利用できる
- 大量の文字数を処理できる
- 高精度なコードの作成ができる
- API連携ができる
- Artifacts機能(アーティファクト機能)
- Projects機能(プロジェクト機能)
ここからは、それぞれの特徴について詳しく解説します。
日本語の自然な文章を生成できる
Claudeは、日本語を含む多言語に対応しており、自然な文章を生成する能力に優れています。
従来のAIが生成した文章は流れが不自然であったり、同じ言葉を繰り返したりと読みにくく、ビジネスシーンでの活用は難しいものでした。
しかし、Claudeは高い自然言語処理能力によって日本語の自然な文章を生成可能です。文脈を理解する能力も高く、人間の感情に配慮した言い回しで的確な回答ができます。
「Claude 3」モデルは日本語プロンプトにも対応しているため、手軽に利用できる点も魅力です。
無料で利用できる
基本機能を無料で利用できる点も、Claudeの特徴の一つです。
無料プランでも現時点の最新モデル「Claude 3.5 Sonnet」を利用できるため、初めて生成AIを利用するユーザーも、他のAIとの比較がしたい人も、気軽に試すことができます。
ただし、無料プランでは一定の回数制限があるため、より高度な機能や制限のない利用を希望する場合は有料プランへの切り替えを検討するといいでしょう。
大量の文字数を処理できる
一度に大量の文字を処理できる能力もClaudeの強みの一つです。
最大20万トークン(14〜15万文字程度)と一度に大量の文字数を処理でき、長文のドキュメントの要約や詳細な分析などに活用できます。
例えば、研究論文の要約やビジネスレポートの作成、長文の校正や編集作業の効率化などにも役立つでしょう。
高精度なコードの作成ができる
Claudeは文章だけでなくプログラミング言語の理解と生成に優れており、必要な情報を入力することで、高品質なコードを作成できます。
対応しているプログラミング言語もPython・JavaScript・Java・Go・PHP・Swiftなど幅広く、デバッグも可能です。
API連携ができる
Claudeでは、「Tool use」と呼ばれる機能で外部システムやAPIと連携が可能です。
Tool useの活用例としてAnthropic社のサイトでは「請求書から名前・日付・金額の自動で取得」「カスタマーサポートチャットボットでの自動返信」などを挙げており、API連携を行うことでより幅広いシーンで便利にClaudeを活用できます。
Artifacts機能(アーティファクト機能)
Claude 3.5 Sonnetの新機能として注目されているのが、AIと対話しながらリアルタイムでコンテンツを作成し、さらに編集も行える「Artifacts機能(アーティファクト機能)」です。
会話ウィンドウとは別のウィンドウに生成されたコンテンツが表示されるので、内容の確認や修正が簡単に行えます。
フローチャート、簡単なゲーム、ベクターグラフィック(SVG形式の画像)、アニメーション動画などを生成でき、Artifacts機能を活用すればWebコンテンツ制作やアプリ開発、プレゼンテーション資料作成などをこれまで以上に効率化できるでしょう。
Projects機能 (プロジェクト機能)
Projects機能は、プロジェクトごとに「ナレッジ(学習させたい資料)」「チャット履歴」「カスタム指示」の3つを統合・管理できる機能です。
Open AIのChatGPTで提供されている「MyGPTs」のように、自分専用チャットボットを作成できます。
Projects機能はClaudeの有料版であるProプランもしくはTeamプランで利用可能です。
Claudeの使い方

- Claudeの公式サイトにアクセスする
- Googleアカウント連携もしくはメールアドレスを入力する
- 電話番号を入れてSMS認証を行う
- 本名とニックネームを入力する
- Claudeの利用上の注意点を確認し、登録完了
- 入力フォームにプロンプト(質問や指示)を入力する
テキストだけでなくファイルのアップロードも可能です。チャット履歴は自動的に保存されるため、後から見返すこともできます。
Claudeの活用例

- 自然な文章でのテキスト生成
- 長文の要約
- Pythonコードの作成
- Slack連携による業務効率化
- Webサイト構築
- スライド資料の作成
- フローチャートやグラフの作成
- ゲーム・アニメーションの生成
ここからは、それぞれの活用例について詳しく見ていきましょう。
自然な文章でのテキスト生成
Claudeは、文章生成に優れており、人間の感情に配慮した自然な文章を生成できます。
メール、商品説明、ブログ記事、広告コンテンツ作成や製品レビューの執筆、レポートや論文の作成などに利用可能です。
Claudeは日本語を理解する力が高いと評価されており、小説やシナリオのアイデア出しや執筆支援などにも活用できます。
長文の要約
Claudeは大量のテキストを処理できるため、長文の要約にも活用できます。
長い論文や報告書の要約作成、会議議事録の要約と重要なポイントの抽出、ニュース記事の要点整理など、ビジネスでも日常生活でも便利に活用可能です。
長文を入力し、「この文章を要約してください」と指示するだけで要点を簡潔にまとめた要約を生成してくれます。
要約の長さや出力形式も指定可能なため、希望するフォーマットがあればそれも伝えましょう。
Pythonコードの作成
ClaudeはPythonコードの作成やデバッグ支援にも役立ちます。
Anthropic社の発表によれば、Pythonのプログラミング能力を図るCode HumanEvalでClaude 3.5 Sonnetは92.0%と高い正答率を記録しており、Claudeが高いコード生成能力を持っていることがわかります。
Slack連携による業務効率化
ClaudeはSlackなどの業務ツールとの連携も可能です。
例えば、タスク管理や情報共有、会議の議事録作成や資料の要約、社内FAQ用のチャットボットなど、連携によって日常的な業務の効率化が図れます。
Webサイト構築
ClaudeはHTMLやCSSのコード生成にも対応しているため、Webサイト構築にも利用できます。
また、サイトの目的やターゲットなどの情報を入力し、これに基づいてサイト構成や必要なページを提案してもらうことも可能です。
サイト構成の提案からHTMLやCSSコードの生成、サイトコンテンツの文章作成まですべてを生成してもらうことができるため、Webサイト制作の多くの工程を効率化できます。
スライド資料の作成
Claude 3.5 SonnetのArtifacts機能を活用すれば、スライド資料を素早く簡単に作成可能です。
テーマや目的、主要なポイントを指示すると、Claudeがスライド構成を提案し、各スライドの内容やレイアウトを生成します。
フローチャートやグラフの作成
Claude 3.5 SonnetのArtifacts機能では、フローチャートやグラフの作成も可能です。
「◯◯のフローチャートを作成してください」と簡単な指示を出すだけで、複雑な情報の視覚化を簡単に行えます。
また、添付したCSVデータからグラフを作成することも可能です。
ゲーム・アニメーションの生成
ブラウザ上でプレーできるゲームなども、Claude 3.5 SonnetのArtifacts機能を使って作成できます。
例えば「Pythonを使ってシューティングゲームを作って」と伝えると、コードが生成され、プレビューができるようになります。
ChatGPTとの違いを比較

特徴 | Claude 3.5 Sonnet | GPT-4o |
---|---|---|
開発元 | Anthropic | OpenAI |
トークン数 | 最大20万トークン | 最大12万8千トークン |
無料プラン | あり | あり |
有料プラン | $20/月〜 | $20/月〜 |
Anthropic社が公表したデータによれば、Claude 3.5 Sonnetは2つを除くすべてのベンチマークでGPT-4oを上回ったといいます。
Claude 3.5 Sonnetは現在無料で利用できるため、どちらを利用しようか検討している場合はまずはClaude 3.5 Sonnetを試してみるといいかもしれません。
複数AIの同時比較なら天秤AIがおすすめ!

天秤AIでは、1つのプロンプトを入力するだけで、最大6つのAIから同時に回答が得られます。
Claude 3.5 Sonnet、ChatGPT-4o、Gemini 1.5、Perplexityなどの最新の高性能AIモデルを無料で利用でき、目的に応じて最適なAIを選択可能です。
複数AIの回答を確認できるため、ハルシネーションを防ぐことにもつながります。ぜひ活用してみてください。
まとめ
Claudeは高度な自然言語処理能力と倫理的な判断能力を持った生成AIです。
自然な文章でのテキスト生成や長文要約、コードの作成やスライド・フローチャート・グラフ作成など幅広い用途で活用できるため、Claudeを使いこなすことでさまざまな業務を効率化できるでしょう。
最新モデルとなるClaude 3.5 Sonnetは現在無料で利用できるため、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。