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業務において効率化したいもの 且つ 効率化しやすそうなもの と言えば、まず思い浮かぶのは議事録ですよね。
すでに「議事録作成にAIを活用しています!」という方も多いはず。
しかし、いざAIに頼んでやってもらおうとしても精度がイマイチだったり、理想に近づけるために何度もやりとりしたり、軽く整理だけをAIに依頼してほとんどを自分の手で仕上げていたりしませんか?
実際にAIに依頼するにはどうすればいいの?
もっと議事録の質を高めるには?
そんなギモンを解決すべく、実際に試してみたいと思います!
たくさんの生成AI…どれを使う?
生成AIには種類がたくさんありますよね。一体どれを使えばいいのか悩みますが、実はそれぞれ得意なことが違います。
今回は「質の高い議事録」を作成したいので、文章の作成に長けていそうな生成AIを選びたいと思います。
天秤AI監修の「AI図鑑」によると、どうやら「Claude Sonnet 3.7」が高度な文章生成に自信がありそう!
ということで、今回は「Claude Sonnet 3.7」を使用して作成してみます。

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"質の高い議事録"とは…?

質の高い議事録の特徴
質の高い議事録には以下のような特徴があります:
- **正確性** - 議論や決定事項を正確に記録している
- **明瞭性** - 内容が明確で理解しやすい
- **簡潔性** - 余計な情報を省き、要点を簡潔に伝える
- **完全性** - 重要な情報がもれなく記録されている
- **構造性** - 整理された構造で情報が提示されている
- **客観性** - 個人的な意見を混ぜずに客観的に記録されている
- **追跡可能性** - アクションアイテムや次のステップが明確である
- **アクセシビリティ** - 参加していない人にも理解できる
なるほど。これらを満たす形で作成されていれば"質の高い議事録"となるわけですね。
でも、肝心なのはプロンプト(AIへの指示文)です。
AIに頼むのはとても簡単ですが、上手に頼むのは結構難しい…!AIと何度もラリーしたのになかなか思い通りのものが返ってこない…なんてことはあるあるですよね。
実はプロンプト次第でAIが返してくる内容の精度が大きく変わります。
少ないラリーで思い通りの議事録を生成するにはどんなふうにお願いすればいいのか?
今回は、そのプロンプトからAIにおまかせしてみることにしました。
これが質の高い議事録を生成できるプロンプトだ!

どのようなプロンプトでお願いすれば"質の高い議事録"の条件に沿って生成してもらえるのか?
Claude Sonnet 3.7に作成してもらったプロンプトがこちらです。
質の高い議事録作成のためのプロンプト例
以下の会議内容に基づいて、詳細で構造化された議事録を作成してください。
【会議の基本情報】
会議名: [会議名を入力]
日時: [日時を入力]
場所: [場所を入力]
議長: [議長名を入力]
参加者: [参加者リストを入力]
欠席者: [欠席者リストを入力]
【会議の目的】
[会議の主な目的や背景を簡潔に説明]
【議題と内容】
議題1: [議題タイトル]
- 説明された内容: [説明内容の要点]
- 主な議論ポイント: [議論された重要点]
- 決定事項: [合意された決定]
議題2: [議題タイトル]
- [同様に記載]
【アクションアイテム】
[誰が、何を、いつまでに行うかの一覧]
【次回会議】
[次回会議の予定や主な議題]
以下の要素を含む、明確で実用的な議事録を作成してください:
1. 明確な見出しと階層構造
2. 決定事項の明示
3. 責任者と期限が明確なアクションアイテム
4. 客観的な記述
5. 簡潔だが必要な情報を網羅した内容
会議内容が録音や文字起こしで既にある場合は、以下のようなプロンプトも効果的です:
以下の会議の文字起こしから、プロフェッショナルな議事録を作成してください。重要な議論、決定事項、アクションアイテムを明確に抽出し、構造化された形式で提示してください。個人的な雑談や関係のない内容は省略し、ビジネス目的に適した正式な議事録としてください。
【会議の文字起こし】
[会議の文字起こしや録音内容をここに貼り付け]
特定のフォーマットに従いたい場合は、次のようにプロンプトを調整できます:
以下の会議内容から、当社の標準フォーマットに従った議事録を作成してください:
1. 会議概要(日時、場所、参加者、目的)
2. 前回議事録の確認と未解決事項
3. 議題ごとの議論内容(箇条書き)
4. 各議題の決定事項(強調)
5. アクションアイテム(表形式で担当者・タスク・期限を明示)
6. 次回会議の予定
会議内容:
[会議の内容を記載]
様々なパターンを想定して複数用意してくれました!
ではいよいよ、生成されたプロンプトを使用して議事録の作成依頼をしたいと思います。
ちなみに、議事録作成を依頼するにあたって今回は架空の会議の文字起こしメモの作成もClaude Sonnet 3.7に依頼しました。

↑作成してくれたこちらの架空の会議メモを元に、議事録作成を依頼をしてみます!
いよいよ議事録作成依頼!果たして結果は…?
新製品開発プロジェクト 第2回ミーティング 議事録
会議の基本情報
会議名: 新製品開発プロジェクト 第2回ミーティング
日時: 2023年7月1日 14:00-15:30
場所: 会議室およびオンライン
議長: 中村
記録者: 自動記録参加者:
- 中村(プロジェクトリーダー)
- 佐藤(市場調査担当)
- 田中(デザイン担当)
- 鈴木(技術開発担当)- オンライン参加
- 伊藤(生産計画担当)
欠席者:
- 山本(事前連絡あり)
1. 前回議事録の確認
前回議事録(プロジェクトのスコープと初期タイムライン)を全会一致で承認。
2. 進捗報告
2.1 市場調査(佐藤)
・競合製品分析が完了
主な発見事項:
- 競合他社A社とB社が最近類似機能を導入
- ユーザーの主要不満点は「操作性」と「バッテリー持続時間」
- 最も需要の高い価格帯は2万円〜3万円
議論ポイント:
- 新バッテリー技術採用によりバッテリー性能向上の可能性あり(コスト15%増)
- 技術チームと財務部門での詳細検討が必要
2.2 デザインコンセプト(田中)
・3つのデザインコンセプトを作成
- コンセプトA: スタイリッシュでモダンなアプローチ
- コンセプトB: 機能性重視の実用的デザイン
- コンセプトC: 中間的な位置づけ
・社内初期フィードバックではコンセプトAが人気
議論ポイント:
- コンセプトAは高年齢層には操作が難しい可能性
- ターゲット層は25〜45歳を想定
- UIのユーザビリティテストの必要性
- テストは来月初旬に小規模実施、その後改良して大規模テスト予定
2.3 技術開発(鈴木)
・プロトタイプ開発は予定通り進行中
・基本機能の実装が70%完了
・新バッテリー技術採用には追加で2週間の検証期間が必要
- サプライヤーとの交渉も必要
- 現計画では全体スケジュールに影響あり
2.4 生産計画(伊藤)
・製造ライン準備進行中
・初期生産数は月5,000台を想定課題: 半導体部品の一部に供給不安
- 最悪の場合、1ヶ月程度の遅延の可能性
- 代替サプライヤーを検討中
- 来週には見通しが立つ見込み
3. 検討事項
3.1 価格設定
・市場調査では2万円〜3万円が最適価格帯
・現在の原価計算では2.8万円が下限議論ポイント:
- 2.8万円だと競合B社と同価格帯
- デザインの高級感で価格プレミアム正当化の可能性
- 一部機能を省いたベーシックモデル(2.3万円)の開発可能性
- 生産数量増によるコストダウンの可能性(初期投資増のリスクあり)
決定事項:
- 標準モデル(2.8万円)とベーシックモデル(2.3万円)の2種類を展開
- ベーシックモデルは機能制限が中心で2週間程度の追加作業で対応可能
3.2 マーケティング計画
・ローンチ予定:11月(半導体問題が解決できれば)
・年末商戦に間に合わせるため、11月中旬までのローンチが望ましい議論ポイント:
- 9月からSNSでのティザーキャンペーン開始を検討
- インフルエンサーへのサンプル配布も検討
- 製品魅力を伝えるビジュアル資料は9月末までに完成予定
- ウェブサイトは外部制作会社と打ち合わせ中、10月初旬完成予定
4. 決定事項
- 製品ラインナップは標準モデルとベーシックモデルの2種類
- バッテリー技術の検証を進め、2週間以内に採用可否を決定
- 半導体の供給問題については代替策を来週までに確定
- ユーザビリティテストは来月初旬に実施
5. アクションアイテム
担当者 タスク 期限 鈴木 両モデルの仕様とスケジュール修正案の作成 次回会議(7月15日)まで 佐藤 両モデルの販売予測分析 次回会議(7月15日)まで 伊藤 半導体部品調達の代替案作成 来週中 田中 ユーザビリティテストの詳細計画作成 次回会議(7月15日)まで 6. 次回会議
日時: 2023年7月15日 14:00-
場所: 今回と同じ
主な議題:
- アクションアイテムの進捗確認
- バッテリー技術採用の最終決定
- 半導体調達問題の解決策確認
- マーケティング計画の詳細化
すごい!
ただ会議の文字起こしを貼り付けるだけで、どんな会議も同じフォーマットで議事録作成できるようになりました◎
ちなみにプロンプトにこだわらずに依頼すると…?
ちなみに、ただ単に「議事録を作成してください」という指示(会議メモの内容は同一のもの)だとこんな感じの仕上がりでした。
新製品開発プロジェクト 第2回ミーティング議事録
基本情報
- 日時: (日付記載なし)14:00~15:30
- 場所: (記載なし)
- 議事進行: 中村
出席者
- 中村(議長)
- 佐藤(市場調査担当)
- 田中(デザイン担当)
- 鈴木(技術担当)- オンライン参加
- 伊藤(生産計画担当)
欠席者
- 山本
議題
- 前回議事録の確認
- 各担当の進捗報告
- 価格設定の検討
- マーケティング計画
- 決定事項とアクションアイテム
議事内容
1. 前回議事録の確認
- 前回は主にプロジェクトのスコープと初期のタイムラインについて議論
- 修正なく承認
2. 各担当の進捗報告
2.1 市場調査(佐藤)
- 競合製品分析の完了
- 競合他社A社・B社が類似機能を最近導入
- ユーザーの主要不満点:操作性とバッテリー持続時間
- 最適価格帯:2万円~3万円が最も需要が高い
2.2 デザイン(田中)
- 初期デザインコンセプト3案を作成
- コンセプトA:スタイリッシュでモダン(社内評価で人気)
- コンセプトB:機能性重視・実用的
- コンセプトC:AとBの中間的位置づけ
- 主要ターゲット層:25歳~45歳
- ユーザビリティテスト予定:来月初旬に小規模テスト、改良後に大規模テスト
2.3 技術開発(鈴木)
- プロトタイプ開発は予定通り進行
- 基本機能実装:70%完了
- バッテリー新技術採用検討中:追加で2週間の検証期間が必要
- サプライヤーとの交渉も必要
2.4 生産計画(伊藤)
- 製造ライン準備中
- 初期生産数:月5,000台を想定(需要予測により調整)
- 課題:半導体部品の一部に供給不安あり
- 最悪の場合1ヶ月程度の遅延の可能性
- 代替サプライヤー検討中、来週には見通しが立つ見込み
3. 価格設定の検討
- 市場調査結果:最適価格帯は2万円~3万円
- 現在の原価計算:2.8万円が下限
- 検討された選択肢:
- 現状仕様で2.8万円
- 一部機能を省いたベーシックモデルで2.3万円
- 両モデルを展開
- 決定:標準モデルとベーシックモデルの2種類を展開する方向で詳細検討
4. マーケティング計画
- ローンチ予定:11月(半導体問題が解決された場合)
- マーケティング施策:
- 9月からSNSでのティザーキャンペーン開始
- インフルエンサーへのサンプル配布
- 製品ビジュアル資料:9月末完成予定
- ウェブサイト:10月初旬完成予定
5. 決定事項とアクションアイテム
決定事項
- 製品ラインナップ:標準モデルとベーシックモデルの2種類を展開
- バッテリー技術の検証:2週間以内に決定
- 半導体供給問題:代替策を来週までに確定
- ユーザビリティテスト:来月初旬に実施
アクションアイテム
- 鈴木: 両モデルの仕様とスケジュール修正案の作成
- 佐藤: 両モデルの販売予測分析
- 伊藤: 部品調達の代替案検討
- 田中: ユーザビリティテストの詳細計画策定
次回ミーティング
- 日時:7月15日(2週間後)同時刻
- 議題:(記載なし)
以上
必要な情報はまとまっていて悪くはありませんが、見やすさや整理のされ具合は先ほどのプロンプトを使用した時のほうが明らかに質が高いですよね!
今回は天秤AIで「Claude Sonnet 3.7」を利用して質の高い議事録作成に挑戦しました。
ぜひこのプロンプトを参考に、議事録作成を効率化してみてください!