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Google、最上位AIモデル「Gemini 3 Deep Think」を提供開始
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複数の仮説を同時に検証する「並列推論」で
AIの思考が新たな段階へ
2025年12月4日(現地時間)、Googleは同社のAIアシスタント「Gemini」アプリにおいて、最上位の推論モード「Gemini 3 Deep Think」の提供を開始しました。
◆ どんなふうに良い?
◎ 複数の可能性を同時に検討する「並列推論」に対応
従来のAIが1つの仮説を順番に検証していくのに対し、Gemini 3 Deep Thinkは複数の仮説を同時並行で探索しながら問題を解決します。この「高度な並列推論(advanced parallel reasoning)」技術により、複雑なタスクでも見落としを減らし、より精度の高い回答にたどり着きやすくなります。
◎ 複雑な数学・科学・論理問題に特化
専門的な計算や多段階の論理的思考が求められる問いに対して、特に高い性能を発揮します。
◎ 主要AIベンチマークで最高水準のスコア
難問で構成された「Humanity's Last Exam」では41.0%(ツール不使用時)、汎用推論テスト「ARC-AGI-2」では45.1%
(コード実行あり)を達成しています。

出典:Google DeepMind 公式X(@GoogleDeepMind)
◎ コード生成やビジュアライゼーションも強化
思考に時間をかける分、出力されるコードや図表の正確性・実用性が高まっています。
◆ どうやって使う?
利用手順は以下のとおりです。
- Geminiアプリ(gemini.google.com)にアクセス
- プロンプト入力欄の「Thinking」から「Deep Think」を有効化
- モデル選択メニューで「Gemini 3 Pro」を選択し、タスクを送信
- 2025年12月5日時点では「Google AI Ultra」サブスクリプション加入者向けに提供されています。
回答の生成には数分かかりますが、準備完了の通知が届き次第、内容を確認できます。設定は数クリックで完了し、すぐに利用を開始できます。
◆ 開発の背景
Gemini 3 Deep Thinkは、2025年8月に導入された「Gemini 2.5 Deep Think」の技術を基盤として構築されています。同年5月の Google I/O 2025 でコンセプトが発表され、11月の「Gemini 3」発表時に提供が予告されていました。
その後、安全性評価とセーフティテスターからのフィードバックを経て、今回の正式リリースに至っています。「即座に答える」AIから「じっくり考える」AIへ——Googleが推論型AIの新たな方向性を示した象徴的なアップデートといえます。
◆ まとめ
- 「Gemini 3 Deep Think」がGoogle AI Ultraサブスク加入者向けに正式提供開始
- 複数仮説を同時に検証する「並列推論」で複雑な問題に強く
- 数学・科学・論理・コード生成など高度タスクで性能向上
- 数分の「深い思考」を経た、精度の高い回答が得られる
AIが「すぐ答える存在」から「じっくり考えるパートナー」へ。転換点となるリリースです。
