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Microsoft 365 Copilot、「Researcher with Computer Use」を発表
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Microsoft 365 Copilot、Web検索とPC操作を統合した「Researcher with Computer Use」を発表
― AI秘書が「調べる」から「実行する」まで、すべてを担う時代が始まりました ―
2025年10月30日、Microsoftは「Microsoft 365 Copilot」に新機能「Researcher with Computer Use」の展開を開始しました。この機能は、Web検索とPC操作を組み合わせ、ユーザーの指示に基づいて情報収集からファイル編集、データ分析までを自動的に実行します。これまでのAIアシスタントが「情報を提示する」にとどまっていたのに対し、Researcherは「調査から実装まで一貫して代行する」という、新しい働き方の可能性を示しています。
◆ どんなふうに良い?
Researcherは、ユーザーが投げかけた質問に対して、Web検索で最新情報を収集し、その結果をもとにExcelでのデータ整理やWordでのレポート作成までを自動的に進めます。例えば「競合3社の最新決算情報をまとめて比較表を作成してほしい」と依頼すれば、各社の公式サイトやニュースサイトから情報を抽出し、Excelに整理した表を提示してくれます。
作業過程がリアルタイムで可視化されるため、AIが「今どんな作業をしているのか」「どのような手順で進めているのか」を確認できます。画面上でAIの作業画面を見ながら進み具合を確認できるため、何をしているかが一目で分かります。途中で「ここは違う」と思えば、いつでも指示を出して修正することもできます。
さらに、複数のアプリケーションを横断して作業を進められるため、調査結果をPowerPointにまとめ直したり、Teamsで共有したりする作業も一連の流れとして実行できます。情報を探し、コピーし、ペーストし、整形する――この一連の手間が大幅に削減され、集中すべき思考や判断に時間を割けるようになります。
ログインが必要な有料サイトや会員専用のコンテンツにもアクセスできます。ユーザーは認証時のみ操作を行い、それ以外はAIに任せられます。
セキュリティ面でも配慮されており、セッション終了後はすべてのデータが破棄されます。Microsoft 365の既存のセキュリティフレームワークと統合されているため、導入のハードルも低く抑えられています。
◆ どうやって使う?
Researcherは、Microsoft 365 Copilotライセンスを持ち、Frontierプログラムに参加しているユーザーが利用できます。Frontierプログラムは、Microsoftの新機能を一般提供前に体験できる早期アクセスプログラムで、Microsoft 365 Copilotライセンス保有者であれば特別な申請なしに参加できます。
使い方はシンプルで、Microsoft 365 Copilot Chatをウェブで開き、「すべてのエージェント」から「Researcher (Frontier)」を選択します。その後、Researcherのホーム画面で「Computer Use」を選ぶだけです。必要に応じて、業務データ(メール、会議、チャット)へのアクセスを有効にすることもできます。
AIが自動的にWeb検索を開始し、関連情報を収集します。その後、必要に応じてExcelやWordなどのアプリケーションを起動し、データの整理や文書作成を進めます。
公式サポートページでは、具体的な使用例や効果的な活用のポイントが紹介されており、初めて使う方でも迷わずに操作を始められるよう工夫されています。
◆ 利用上の制限と注意点
現時点では、いくつかの制限があることに注意が必要です。
まず、言語対応は英語のみとなっています。日本を含む世界中どこからでも利用できますが、プロンプトや指示は英語で行う必要があります。通常のResearcher機能は37言語に対応していますが、Computer Use機能については現在英語に限定されています。日本語を含む多言語対応は、今後の展開に期待したいところです。
また、Researcherの利用回数には制限があり、月25回までとなっています。これはMicrosoft 365 Copilotライセンスに含まれる標準の制限で、Computer Useの有無にかかわらずResearcher全体に適用されます。
組織の管理者がエージェント機能やComputer Useを無効にしている場合は利用できません。
さらに、現在はFrontierプログラムを通じた段階的な展開中であり、すべてのユーザーに即座に利用可能になるわけではありません。ライセンスを持っていても、段階的な展開のため、すぐにはアクセスできない場合があります。
◆ 開発の背景
Microsoftは、AI技術を「情報提供」から「業務代行」へと進化させる方針を明確にしています。Researcherは、その方向性を象徴する機能です。
従来のAIアシスタントは、ユーザーの質問に答えることに特化していましたが、実際のビジネスシーンでは「答えを得た後の作業」が依然として人間の手に委ねられていました。Researcherは、その境界を越え、調査・分析・実装までを一貫してサポートします。
Microsoftは、この機能を通じて「知識労働者の生産性を根本的に変革する」ことを目指しています。情報過多の時代において、必要な情報を見つけ出し、それを活用できる形に加工するプロセスを自動化することで、より創造的な業務に時間を使えるようになると期待されています。
◆ まとめ
- Web検索とPC操作を統合し、調査から実装までを一貫してサポートします。
- 作業過程が可視化され、AIの動きを確認しながら進められます。
- Microsoft 365のセキュリティ基盤に統合されており、企業での導入も安心です。
- Frontierプログラムを通じて段階的に提供が開始されています。
- 現時点では英語のみ対応、月25回までの制限がありますが、今後の機能拡充に期待です。
