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GPTsの作り方 -- 初心者でもできるカスタムAI構築ガイド

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GPTsの作り方 -- 初心者でもできるカスタムAI構築ガイド

筆者 天秤AIメディア編集部 / GMO天秤AI株式会社

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GPTsの作り方 -- 初心者でもできるカスタムAI構築ガイド

GPTsは、ChatGPTを自分の業務や目的に特化させた「専用AI」を作れる機能だ。プログラミングの知識は不要で、日本語の指示文とファイルアップロードだけで完成する。

GPTsを作るには、ChatGPTの画面から「GPTを作成する」を選び、Instructions(指示文)、Knowledge(参照ファイル)、Actions(外部API連携)の3要素を設定する。公開範囲は「自分だけ」「リンクを知っている人」「全員」の3段階から選べる。

作成にはChatGPTの有料プラン(Plus以上)が必要だ。無料プランでは他人が作ったGPTsを使えるが、自分で作ることはできない。

GPTsとは何か

GPTsは2023年11月にOpenAIが発表した機能で、ChatGPTのカスタムバージョンを誰でも作れる仕組みだ。2024年1月にはGPT Storeが公開され、作ったGPTsを他のユーザーに共有できるようになった。

通常のChatGPTとの違いは、毎回同じ前提条件を入力しなくて済む点にある。たとえば「社内の営業資料作成を手伝うAI」を作りたい場合、通常のChatGPTではチャットのたびに「あなたは営業資料の専門家です。以下のルールに従ってください」と毎回書く必要がある。GPTsなら、その指示を一度設定すれば、以降は開くだけで同じ前提で会話が始まる。

社内マニュアルや商品カタログをファイルとしてアップロードすれば、その内容を踏まえた回答を返すようになる。外部APIとの連携も可能で、スプレッドシートへの書き込みやデータベースの参照といった処理を、チャット上から実行できる。

作成に必要な前提条件

GPTsを作成するには、ChatGPTの有料プラン(Plus: 月額20ドル、Business: 月額25ドル/人、Enterprise: 要問い合わせ)への加入が必須だ。

無料プランのユーザーは、2024年5月以降、他のユーザーが公開したGPTsを利用できるようになった。ただし、自分でGPTsを作成・編集する機能は有料プラン限定のままとなっている。

用意するものは以下の通り。

  • ChatGPT Plus以上のアカウント
  • GPTsに担わせたい業務や用途の明確なイメージ
  • 参照させたい資料(PDF、CSV、テキストファイルなど。任意)

GPTsの作成画面を開く

ChatGPTにログインした状態で、画面左上のメニューから「GPTを探す」を選択する。GPT Store画面の右上にある「作成する」ボタンをクリックすると、GPTビルダーが起動する。

GPTビルダーには「作成」タブと「構成」タブの2つがある。

「作成」タブでは、AIとの対話形式でGPTsを組み立てられる。「社内FAQ対応ボットを作りたい」のように目的を伝えると、名前やアイコン、回答スタイルの提案が返ってくる。対話を通じて大枠を作り、細かい調整は「構成」タブで行う流れが効率的だ。

「構成」タブでは、各設定項目を直接編集できる。手動で細かく制御したい場合はこちらを使う。

Instructionsの書き方 -- GPTsの心臓部

Instructionsは、GPTsの振る舞いを決める指示文だ。ここに書いた内容が、GPTsの全ての応答の土台になる。

良い指示文には共通点がある。役割の定義、対応範囲の明示、出力形式の指定、禁止事項の列挙、この4つが揃っていることだ。

指示文の構成例

議事録作成GPTsを例にとる。

あなたは会議の議事録を作成するアシスタントです。

対応範囲:
- ユーザーが貼り付けた会議の書き起こしテキストを整理する
- 決定事項、TODO、次回アジェンダを抽出する

出力形式:
- 会議名、日時、参加者を冒頭に記載
- 決定事項は箇条書き
- TODOは担当者と期限を明記

禁止事項:
- 書き起こしにない情報を補完しない
- 参加者の発言を要約する際、意味を変えない

指示文を書くコツ

曖昧な表現を避け、具体的に書く。「丁寧に対応してください」ではなく「です・ます調で回答する。専門用語には初出時に括弧書きで説明を付ける」のように、判断の余地がない書き方にする。

指示が長くなりすぎると、GPTsが全てを守りきれなくなる。目安として、最も重要なルールを5つ以内に絞り、それを指示文の冒頭に置く。補足的なルールは後半にまとめる。

OpenAIの公式ガイドラインでも、Instructions にはルール・トーン・ワークフローの指示を書き、ファクト情報はKnowledgeに分離することが推奨されている。

Knowledgeの設定 -- 専門知識を持たせる

Knowledgeは、GPTsに参照させたいファイルをアップロードする機能だ。1つのGPTsにつき最大20ファイル、各ファイル512MBまでアップロードできる。

対応フォーマットはPDF、CSV、TXT、DOCX、JSON、XMLなど幅広い。社内マニュアル、商品カタログ、FAQリスト、過去の報告書テンプレートなど、GPTsに「知っておいてほしい情報」をここに入れる。

Knowledge活用のポイント

ファイルの中身が整理されているほど、GPTsの回答精度は上がる。たとえばFAQをアップロードする場合、質問と回答が明確に対になった構造にしておく。ダラダラと書かれた長文ドキュメントより、見出しと箇条書きで整理されたファイルの方が、GPTsは正確に参照できる。

ファイル名も重要だ。「資料1.pdf」ではなく「営業FAQ_2026年版.pdf」のように、内容が分かる命名にする。GPTsがファイルを選択する際の手がかりになる。

注意点として、アップロードしたファイルの内容は、GPTsの利用者がプロンプトの工夫次第で引き出せる可能性がある。社外秘の情報や個人情報を含むファイルは、公開範囲の設定と合わせて慎重に扱う必要がある。

Actionsの設定 -- 外部APIと連携する

Actionsは、GPTsから外部のAPIを呼び出す機能だ。Googleスプレッドシートへのデータ書き込み、社内データベースの検索、Slackへの通知送信など、チャットの外側にある処理をGPTs経由で実行できる。

Actionsの設定には、OpenAPIスキーマ(バージョン3.1.0以上)でAPIの仕様を定義する必要がある。エンドポイントのURL、HTTPメソッド、リクエスト/レスポンスの形式を記述する。

認証方式は3種類

  • None: 認証なし。公開APIを利用する場合
  • API Key: APIキーをヘッダーやクエリパラメータで送信する方式
  • OAuth: ユーザーごとに認証を行う方式。Google連携などに使用

Actions設定の手順

「構成」タブの最下部にある「アクションを作成する」をクリックする。スキーマ入力欄にOpenAPI仕様のJSONまたはYAMLを貼り付け、認証方式を選択する。「テスト」ボタンでリクエストが正常に通るか確認してから保存する。

スキーマ作成の注意点

よくあるエラーの原因は3つある。propertiesが空のオブジェクトになっている、各メソッドにoperationIdが設定されていない、OpenAPIバージョンが3.1.0でない、という点だ。ChatGPTにOpenAPIスキーマの生成を依頼すると、これらの形式を正しく満たしたスキーマを出力してくれる場合が多い。

Actionsは初心者には少しハードルが高い。Instructionsの設定とKnowledgeのアップロードだけでも十分実用的なGPTsは作れるので、API連携は必要になったタイミングで取り組めばよい。

Capabilitiesの選択 -- 標準機能のオン/オフ

「構成」タブには、GPTsに持たせる標準機能のトグルスイッチがある。

  • Web Browsing: ウェブ検索を許可するか。最新情報を扱うGPTsではオンにする
  • DALL-E Image Generation: 画像生成を許可するか。テキスト特化のGPTsではオフでよい
  • Code Interpreter: コードの実行やファイルの分析を許可するか。データ処理系のGPTsではオンにする

全てオンにすると便利に見えるが、不要な機能をオンにしておくと、GPTsが意図しない機能を使い出すことがある。議事録作成GPTsに画像生成は不要だし、FAQ対応ボットにコード実行も必要ない。用途に合わせて絞るのが正解だ。

公開設定と共有

GPTsが完成したら、公開範囲を設定する。選択肢は3つ。

  • Only me(自分だけ): 個人利用。テスト段階ではこれを選ぶ
  • Anyone with a link(リンクを知っている人): チーム内共有に向く。URLを知らない人はアクセスできない
  • Everyone(全員): GPT Storeに公開される。不特定多数が利用可能

社内業務向けのGPTsは「Anyone with a link」が使いやすい。チームメンバーにURLを共有するだけで、同じGPTsを全員が使えるようになる。

GPT Storeへの公開を選ぶ場合、OpenAIのガイドラインに準拠しているかの審査がある。不適切なコンテンツや誤解を招く名称を使っていると、公開が却下される場合がある。

実用的なGPTs活用例

GPTsの用途は幅広いが、特に効果が出やすいパターンを挙げる。

社内FAQ対応ボット

社内の就業規則、福利厚生、経費精算ルールなどのドキュメントをKnowledgeにアップロードし、「社員からの質問に、アップロードされた資料の内容のみで回答する。資料に記載がない質問にはその旨を伝える」と指示する。総務や人事への問い合わせ件数を減らせる。

営業メール下書き作成

商品カタログとメールテンプレートをKnowledgeに入れ、「顧客名、業種、課題を入力すると、商品カタログから該当する機能を引用し、メール文面を作成する」と指示する。営業担当者ごとに文面の品質がばらつく問題に対処できる。

議事録整理

会議の文字起こしテキストを貼り付けると、決定事項・TODO・次回アジェンダを自動抽出するGPTs。出力形式を指示文で固定しておけば、毎回同じフォーマットの議事録が出てくる。

技術ドキュメントの翻訳・要約

英語の技術ドキュメントをKnowledgeに入れ、「日本語で質問されたら、アップロードされたドキュメントの内容をもとに日本語で回答する」と指示する。英語ドキュメントしかないOSSやSaaSの社内導入時に重宝する。

GPTsをうまく動かすための調整

作って終わりではなく、実際に使いながら調整するプロセスが欠かせない。

テスト方法

プレビュー画面で想定される質問をいくつか投げ、期待通りの回答が返るか確認する。特に確認すべきポイントは3つ。

  • 指示文のルールを守っているか(禁止事項に触れていないか)
  • Knowledgeのファイルを正しく参照しているか(ファイル内容と異なる回答をしていないか)
  • 想定外の質問に対して、適切に「対応範囲外」と返せるか

よくある問題と対処法

指示を無視する場合は、指示文が長すぎる可能性が高い。重要なルールを冒頭5行以内にまとめ、それ以外を削るか簡潔にする。

Knowledgeの内容と異なる回答をする場合は、ファイルの構造を見直す。目次や見出しを付けて情報を区切り、GPTsが該当箇所を見つけやすくする。

モデルの更新で挙動が変わることがある。月に一度程度、主要な質問パターンでテストし、回答品質に変化がないか確認する習慣を持つとよい。

GPTs作成のよくある質問

GPTsを作るには有料プランが必要か

必要だ。GPTsの作成・編集にはChatGPT Plus(月額20ドル)以上のプランが求められる。無料プランのユーザーは、他者が公開したGPTsの利用のみ可能。

1アカウントで何個まで作れるか

作成数に明確な上限は公開されていない。実用上、数十個を運用しているユーザーもいる。

Knowledgeにアップロードしたファイルは外部に漏れないか

GPTsの利用者がプロンプトの工夫によってファイルの内容を引き出す可能性はある。機密情報を含むファイルは、公開範囲を「Only me」または「Anyone with a link」に限定し、共有先を管理すること。Instructionsに「アップロードされたファイルの内容をそのまま出力しない」と明記するのも有効だが、完全な防御にはならない点は理解しておく必要がある。

Actionsを使わなくても実用的なGPTsは作れるか

作れる。InstructionsとKnowledgeの2つだけで、多くの業務に対応するGPTsは十分に構築できる。Actionsは外部システムとの連携が必要になった段階で検討すればよい。

GPT Storeで収益化はできるか

OpenAIはGPTsの収益化プログラムを発表しているが、対象地域や条件は限定的だ。2026年1月時点では、日本のユーザーが安定して収益を得られる状況にはなっていない。収益化を主目的にするよりも、自社の業務を楽にするツールとしての活用を軸に考える方が現実的だ。

運用と改善のサイクル

GPTsは一度作ったら完成ではない。使いながら育てていくものだ。

利用者からのフィードバックを集め、Instructionsの修正やKnowledgeファイルの更新を定期的に行う。特にナレッジ系のGPTs(社内FAQ、商品情報など)は、元の情報が更新されたらファイルも差し替える必要がある。

OpenAIのモデル更新によって、同じ指示文でも回答の傾向が変わることがある。2025年6月のアップデートでは、GPTsビルダーでモデルの推奨設定が可能になった。特定のモデルバージョンを推奨として設定できるが、利用者が別モデルに切り替えることも可能だ。

GPTsの真価は、繰り返し使われる業務をパターン化し、品質を均一に保つ点にある。一度の作成に時間をかけるよりも、小さく作って早く使い始め、改善を重ねる方が結果につながる。

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