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- ChatGPTとは
- ChatGPTの危険性やリスク
- 情報漏洩リスクがある
- 著作権侵害リスクがある
- 悪意あるプログラミングコードが生成される可能性がある
- 不適切な発言や間違った情報が拡散する可能性がある
- サイバー攻撃への悪用
- ChatGPT利用時のセキュリティ対策・注意点
- 機密情報や個人情報を入力しない
- 学習機能をオフにする
- 人間によるファクトチェックを徹底する
- セキュリティ対策ソフトを導入する
- API版を使う
- ChatGPT Enterpriseプランで利用する
- ChatGPTを企業で安全に活用するためのポイント
- ChatGPT利用時のガイドラインを作成する
- 社内周知・社員への教育を行う
- アクセス制限をかける
- アカウントのセキュリティ対策を行う
- まとめ
ChatGPTは、OpenAIによって開発された対話型AIで、ビジネスから日常生活まで幅広く活用されています。
あらゆる場面で業務効率化に活用できるAIは今後の発展が大きく期待される技術ですが、いくつかのリスクや危険性も存在します。
この記事では、ChatGPTを安全に利用するために知っておくべき危険性やリスクとその対策について詳しく解説します。
リスクについて理解し、適切な対策を講じることで、ChatGPTをこれまで以上に効果的に、安全に活用できるようになるでしょう。
ChatGPTとは
ChatGPTは、OpenAIが開発した高度な自然言語処理能力を持つ生成AIです。
ChatGPTは生成AI技術が大きな注目を集めるきっかけを作ったとも言われており、これをきっかけに生成AIが一気に普及しました。
2024年5月13日にはモデル(バージョン)となる「GPT-4o (Omni) 」が発表されています。
GPT-4oは「AIと人間の自然な対話」に目を向けたアップデートで、テキスト・音声・画像のあらゆる組み合わせの入出力に対応しています。
例えば「スポーツの中継をChatGPTに見せてルールを説明してもらう」など、より自然でリアルタイムな会話が可能となりました。
ChatGPTの危険性やリスク
ChatGPTには多くのメリットがある一方で、同時にいくつかの危険性やリスクも存在します。主に指摘されているのが、以下の点です。
- 情報漏洩リスクがある
- 著作権侵害リスクがある
- 悪意あるプログラミングコードが生成される可能性がある
- 不適切な発言や間違った情報が拡散する可能性がある
- サイバー攻撃への悪用
ChatGPTを利用する際は、これらのリスクについて十分理解し、安全に使用することが大切です。ここからは、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
情報漏洩リスクがある
ChatGPTを利用する際は、情報漏洩に十分な注意が必要です。
OpenAIの利用規約によると、ユーザーがChatGPTに入力した内容がAIの学習材料として使用される可能性があるといいます。
つまり、ChatGPTに機密情報や個人情報を入力すると、意図せず外部に漏れてしまう可能性があるのです。
過去には一部のユーザーのチャット履歴のタイトルが他のユーザーに表示されてしまうバグや、支払先住所やクレジットカード番号下4桁などが意図せず表示されるバグも発生しており、機密性の高い情報はChatGPTに入力しないよう徹底する必要があります。
著作権侵害リスクがある
ChatGPTが生成するコンテンツは既存の著作物から学習した情報を基に構成されるため、意図せず他者の著作権を侵害する可能性があります。
ChatGPTには、出力内容が著作権を侵害しているかどうかを判断する機能はありません。特に商用利用する際には、生成されたテキストが他の著作物と類似していないか確認する必要があります。
知らず知らずのうちに他者の著作権を侵害してしまうことのないよう十分注意しましょう。
悪意あるプログラミングコードが生成される可能性がある
ChatGPTはプログラミングコードの生成も可能ですが、時として悪意のあるコードを生成してしまう可能性があります。例えば、マルウェアやフィッシング詐欺に利用されるコードなどです。
Meta社の調査結果によれば、生成AIがサイバー攻撃用の悪意あるコードの生成を頼まれた際、52%でサイバー攻撃につながる可能性のあるコードが生成されたといいます。
不適切な発言や間違った情報が拡散する可能性がある
ChatGPTはユーザーの入力に基づいて回答を生成しますが、その内容が必ずしも正確であるとは限りません。不適切な発言や偏った見解、間違った情報が含まれることがあり、それが拡散されるリスクがあります。
特に、医療や法律などの専門的な分野では、ChatGPTの回答に依存することは危険です。専門家の確認なしにChatGPTの情報を信頼することは避けるべきでしょう。
また、ChatGPTは人間のように倫理的な判断力を持ち合わせているわけではないため、状況によっては差別や偏見を含む回答を生成する可能性があります。
これらの回答がそのまま公開されると、企業のブランドイメージの低下や社会的な批判を招きかねません。
サイバー攻撃への悪用
ChatGPTの高度な文章生成能力が、サイバー攻撃に悪用されるリスクも指摘されています。
例えば、フィッシング詐欺への悪用です。ChatGPTを使用することで、攻撃者は短時間で説得力のある偽のメールや詐欺サイトのコンテンツを大量に作成できてしまいます。
また、生成AIを活用することで専門的な知識を持たない人でも容易に悪意のあるプログラムを作成可能なため、マルウェアの作成に悪用される危険性もあります。
実際、2024年5月27日には日本国内で対話型生成AIを悪用してマルウェアを作成した人物が警視庁に逮捕されました。
AIの技術を使えばシステムの脆弱性を発見するのも容易になると考えられており、生成AI時代に合わせたセキュリティ対策が必要です。
ChatGPT利用時のセキュリティ対策・注意点
ChatGPTを安全に利用するためには、以下のようなセキュリティ対策と注意点を理解し、実践することが重要です。
- 機密情報や個人情報を入力しない
- 履歴機能をオフにする
- 人間によるファクトチェックを徹底する
- セキュリティ対策ソフトを導入する
- API版を使う
- ChatGPT Enterpriseプランで利用する
ここからは、それぞれの項目について詳しく解説します。
機密情報や個人情報を入力しない
ChatGPTは入力された情報を学習して他のユーザーへの回答に利用する可能性があるため、機密情報や個人情報は入力しないように注意しましょう。
特に、企業戦略や内部事情、個人を特定できる情報などには注意が必要です。
プロンプトに機密情報や個人情報が含まれる場合は、その部分をダミーデータに置き換えるなど対策をしましょう。
学習機能をオフにする
ChatGPTには学習機能がありますが、これをオフにすることでユーザープライバシーを強化できます。
学習機能のオフ設定は以下の手順で行えます。
- ChatGPTにログインする
- 画面右上のアカウントアイコンをクリックする
- メニューから「設定」を開く
- 「データコントロール」をクリックし「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにして「実行する」をクリックする
以前はデータ学習をオフ設定にすると履歴も同時に削除されてしまいましたが、仕様が変更され、現在では履歴を残しつつ学習機能を無効にできます。
人間によるファクトチェックを徹底する
ChatGPTの出力内容には誤りや不適切な情報が含まれる可能性があるため、必ず人間によるファクトチェックを行うことが重要です。
特に、公開を前提とした情報やビジネスなどで使用する重要な情報の場合は、以下の点などについて慎重に確認しましょう。
- ファクトチェック……ChatGPTの回答は事実か、信頼できる情報か
- 情報の最新性……提供された情報は最新の情報か
- 法的・倫理的問題……著作権侵害や不適切な表現がないか
専門的な内容については、各分野の専門家や有識者に確認を取ると安心です。
セキュリティ対策ソフトを導入する
セキュリティシステムを導入することで、社員による情報漏洩やサイバー攻撃に対処できます。
セキュリティ対策ソフトを導入すると不正アクセスの検知、マルウェア侵入阻止などのメリットがある他、専門家に自社のセキュリティリスクについてアドバイスをもらうことも可能です。
機密情報を自動的に特定し、データの監視や保護を行う「DLP(Data Loss Prevention)」システムも有効です。
DLPはあらかじめ設定したルールをもとに機密情報を判断するため、例えば従業員が機密情報を入力・送信した際にブロックや警告ができます。
API版を使う
API版のChatGPTでは、入力された情報がAIの学習に使用されません。そのため、機密情報の漏洩リスクが大幅に低減されます。
自社専用のAIモデルとして利用できるため、特定の目的や業界に特化した環境を構築できる点もメリットです。
ChatGPT Enterpriseプランで利用する
ChatGPTには、企業向けの「ChatGPT Enterprise」というプランがあります。
これまでのChatGPTのすべての機能を利用できることに加え、法人向けのセキュリティにアップデートされていることが特徴です。
ChatGPT Enterpriseでは入力データやプロンプトがOpenAIの学習に使用されず、すべてのデータ送信が暗号化されます。
米国公認会計士協会(AICPA)の設定するセキュリティ基準(SOC2)に準拠したセキュリティレベルとなっており、組織全体でのChatGPTの安全な運用につながるでしょう。
ChatGPTを企業で安全に活用するためのポイント
ChatGPTを企業で安全に活用するためには、以下のポイントを押さえることが大切です。
- ChatGPT利用時のガイドラインを作成する
- 社内周知・社員への教育を行う
- アクセス制限をかける
- アカウントのセキュリティ対策を行う
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
ChatGPT利用時のガイドラインを作成する
ChatGPTを業務で利用する場合は、社内で利用時のガイドラインを作成しましょう。ガイドラインに含めるべき内容としては、例えば以下のようなものです。
- ChatGPTの利用目的の明確化
- ChatGPTに入力してよい情報の範囲の明確化
- 企業の機密情報や個人情報の取り扱い
- ChatGPTの入力内容の精査・確認方法やプロセス
- 著作権に関する注意事項 など
ガイドラインは定期的に見直し、最新のセキュリティ脅威や法規制に対応できるよう更新しましょう。
また、ガイドラインの遵守状況を定期的にチェックし、必要に応じて改善策を講じることも大切です。
社内周知・社員への教育を行う
ChatGPTを安全に活用するためには、ガイドラインの作成に加え、社員がChatGPTのリスクと適切な使用方法を理解していることが重要です。
ガイドラインは作成しただけでは機能せず、社員がしっかり読み込み、内容を理解して初めて意味があります。
定期的な社内教育や研修を実施し、セキュリティ意識の向上を図りましょう。
また、変更点や新たな注意点があった場合は、速やかに全社員に情報を共有することが重要です。
アクセス制限をかける
ChatGPTにアクセス制限の機能はありませんが、Microsoft社が提供するクラウドサービス上でChatGPTなどを活用できる「Azure OpenAI Service」を使えばアクセス制限が可能です。
未登録のIPアドレスからのアクセスを制限できるため、セキュリティを向上させられます。
アカウントのセキュリティ対策を行う
ChatGPTは通常、メールアドレスとパスワードでログインして利用しますが、万が一アカウント情報が漏洩した場合、誰でも情報を閲覧可能な状態になってしまいます。
企業アカウントの情報漏洩や不正アクセスを防ぐため、「強力なパスワードの使用」「定期的なパスワード変更」「多要素認証の導入」など、アカウントのセキュリティ対策も徹底しましょう。
まとめ
ChatGPTは非常に便利なツールですが、利用する際にはいくつかのリスクや注意点があります。
利用する際は、情報漏洩や著作権侵害、サイバー攻撃などのリスクに対して十分な対策を行い、安全に利用することが大切です。
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