ChatGPT Enterpriseの価格と法人プランの違い -- Team/Enterprise/

ChatGPT Enterpriseの価格と法人プランの違い -- Team/Enterprise/
天秤AIメディア編集部 / GMO天秤AI株式会社
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ChatGPT Enterpriseの価格と法人プランの違い -- Team/Enterprise/Eduを比較する

ChatGPT Enterpriseの価格は1ユーザーあたり月額約60ドルで、年間契約・150席以上が必須となる。少人数で始めたいならChatGPT Business(旧Team)が月額25ドルから使え、大学向けにはChatGPT Eduが用意されている。法人プランの選択は「何人で使うか」と「どこまで管理統制が必要か」の2軸で決まる。

この記事の内容は2026年2月時点の情報に基づく。OpenAIはプラン体系を頻繁に改定しているため、契約前に公式サイト(https://openai.com/business/chatgpt-pricing/)で最新情報の確認を推奨する。

ChatGPT法人プランは3種類ある

OpenAIが法人向けに提供しているChatGPTのプランは、Business、Enterprise、Eduの3つ。2025年8月29日に「ChatGPT Team」が「ChatGPT Business」へ名称変更されたため、旧名で覚えている人は読み替えが必要になる。

Business(旧Team)は2名から契約できる小〜中規模向け。Enterpriseは150席以上の大規模組織向け。Eduは大学・教育機関専用で、学生・教員・研究者が対象となる。

ChatGPT法人プラン比較表

項目

Business(旧Team)

Enterprise

Edu

価格

年払い20ドル/月、月払い25ドル/月

個別見積(目安: 約60ドル/月)

個別見積

最低利用人数

2名

約150名

教育機関単位

契約形態

月額 or 年額

年間契約

年間契約

年間最低コスト

約600ドル(2名年払い)

約108,000ドル(150名)

非公開

モデルアクセス

GPT-5.4 Thinking、GPT-5.3 Instant

GPT-5.4 Thinking、GPT-5.3 Instant

GPT-5.4 Thinking、GPT-5.3 Instant

メッセージ上限

ユーザー単位の上限あり

GPT-5.3 Instantは実質無制限

共有クレジットプール

コンテキストウィンドウ

標準(128K)

拡張(128K以上)

標準(128K)

SSO(SAML)

あり

あり

あり

SCIM自動プロビジョニング

なし

あり

あり

ドメイン認証

なし

あり

あり

データ保持期間の設定

なし

カスタム可能

カスタム可能

データレジデンシー

なし

選択可能

一部対応

Enterprise Key Management

なし

あり

なし

HIPAA BAA

なし

要相談(別途契約)

なし

DLP連携

なし

あり(Compliance API)

なし

監査ログ

基本的な利用状況

詳細な監査ログ

基本的な利用状況

カスタムGPT組織展開

ワークスペース内共有

組織全体に一括展開

ワークスペース内共有

専任サポート

なし

専任AIアドバイザー + 24/7 SLA付き

なし

モデル学習への利用

されない

されない

されない

出典: OpenAI公式 ChatGPT Pricing(https://openai.com/business/chatgpt-pricing/)、OpenAI Help Center(https://help.openai.com/)

ChatGPT Enterpriseの価格体系

基本価格と契約条件

ChatGPT Enterpriseの価格はOpenAIの営業チームとの直接交渉で決まる。公式サイトに定価の掲載はない。

公開されている情報と複数の導入事例を総合すると、1ユーザーあたり月額45〜75ドルが相場で、中央値は約60ドル。最低150席・年間契約が基本条件のため、最低でも年間約108,000ドル(約1,600万円、1ドル150円換算)の予算が必要になる。

席数が多いほど単価は下がる。数千席規模の契約では40ドル台まで下がる事例もある。複数年契約でも追加の値引き交渉が可能だ。

非営利団体向け割引

非営利団体(NPO)には75%割引のプログラムがある。適用されると1ユーザーあたり約15ドル/月。対象条件はOpenAIの審査による。

クレジットベースの課金

2025年以降、Enterprise(とEdu)は「クレジットプール」方式を導入している。高度な機能(Deep Research、高負荷の推論モデル等)の利用量を契約時にクレジットとして購入し、ワークスペース全体で共有する仕組みだ。

Businessではユーザーごとに上限が設定され、超過分はワークスペースのクレジットプールから消費される。Enterpriseでは全ユーザーが共有プールから利用する。

ChatGPT Business(旧Team)の価格と特徴

価格

年払いで1ユーザーあたり月額20ドル、月払いでは25ドル。2026年4月2日の改定で月額5ドルの値下げが入った(改定前は年払い25ドル、月払い30ドル)。

2名から契約でき、250名未満の組織が主な対象。250名を超える場合はEnterpriseへの移行をOpenAIが推奨している。

Enterpriseとの機能差

Businessにあるもの:

  • GPT-5.4 Thinking / GPT-5.3 Instantへのアクセス

  • 共有ワークスペースと管理コンソール

  • SAML SSO

  • SOC 2 Type 2準拠

  • カスタムGPTの作成と共有

  • Codexシートの追加購入

  • 60以上のアプリ連携

Businessにないもの(Enterprise専用):

  • SCIMによるユーザー自動プロビジョニング

  • ドメイン認証

  • データ保持期間のカスタム設定

  • データレジデンシー(データ保管地域)の選択

  • Enterprise Key Management(顧客管理の暗号鍵)

  • Compliance APIとDLP連携

  • 詳細な監査ログ

  • 専任AIアドバイザー

  • 24/7のSLA付きサポート

年間コストの差は大きい。10名のチームなら、Businessは年間3,000ドル。同じ10名でEnterpriseに入ることは(最低席数の制約から)そもそもできない。50名でBusinessなら年間15,000ドル、Enterpriseに入れたとしても年間36,000ドル以上。SCIMやEKMが不要で、SSO・SOC 2があれば十分という組織はBusinessで事足りる。

ChatGPT Eduの価格と特徴

ChatGPT Eduは大学・教育機関専用のプランで、価格は個別見積制。OpenAIの営業チームに問い合わせる形になる。

カリフォルニア州立大学が2025年に学生46万人・教職員6万人規模で導入した実績がある。大規模な教育機関向けに一括交渉で単価を下げるモデルだ。

Eduの主な機能

  • GPT-5.4 Thinking / GPT-5.3 Instantへのアクセス

  • Study Mode(対話形式の学習支援機能)

  • データ分析、Web検索、ファイルアップロード

  • カスタムGPTの作成と学内共有

  • SAML SSO、SCIM

  • 管理コンソール(学内のユーザー・グループ管理)

  • 入出力データはモデル学習に使われない

EnterpriseとEduの違い

EduにはEnterprise Key Management、データレジデンシー選択、Compliance API、HIPAA BAA対応がない。学術用途がメインのためDLPや監査ログの要件がEnterpriseほど厳しくなく、その分コストも抑えられている。

一方、Study Modeのような教育特化の機能はEduのみ。学生が理解度に応じた対話的な学習ができる仕組みで、単にEnterpriseを教育機関に売っているわけではない。

セキュリティ機能の詳細

法人がChatGPTを導入する際、セキュリティ要件は最も重い判断材料になる。プランごとのセキュリティ機能を整理する。

全法人プラン共通

  • 入出力データはモデルの学習・改善に使われない

  • データはAES-256で暗号化して保存、転送時はTLS 1.2以上

  • SOC 2 Type 2認証を取得済み(セキュリティ・可用性・機密性・プライバシーの統制を第三者が監査)

  • SAML SSOに対応

Enterprise固有のセキュリティ機能

Enterprise Key Management(EKM): 顧客が自社の暗号鍵でデータを暗号化できる。OpenAI側が鍵を持たないため、仮にOpenAIのインフラが侵害されてもデータは保護される。金融機関や医療機関で求められる要件だ。

データ保持期間のカスタム設定: 会話データの保持期間を組織のポリシーに合わせて設定できる。ゼロリテンション(保持しない)の選択肢もある。

データレジデンシー: データの保管地域を指定できる。GDPRや各国のデータ保護法への対応に必要。

Compliance API: サードパーティのDLP(データ漏洩防止)ツールと連携し、PII(個人識別情報)やPHI(保護対象医療情報)、財務データなどの送信を監視・ブロックできる。

HIPAA BAA: 医療機関向けにBusiness Associate Agreement(事業者関連契約)を締結できる。ただし自動適用ではなく、OpenAIとの個別交渉・審査が必要。2024年にはChatGPT for Healthcareという医療特化版も登場している。

詳細な監査ログ: 誰が・いつ・何を・どのGPTで行ったかを記録し、コンプライアンス監査に対応する。

認証・準拠規格

OpenAIは以下の認証を取得している(Business/Enterprise/Edu共通):

  • SOC 2 Type 2

  • ISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメント)

  • ISO/IEC 27017(クラウドセキュリティ)

  • ISO/IEC 27018(クラウド上の個人情報保護)

  • ISO/IEC 27701(プライバシー情報マネジメント)

  • GDPR対応

  • CCPA対応

出典: OpenAI Security and Privacy(https://openai.com/security-and-privacy/)、OpenAI Enterprise Privacy(https://openai.com/enterprise-privacy/)

どのプランを選ぶべきか -- 導入判断フローチャート

法人プランの選択は以下の判断基準で絞り込める。

利用人数で絞る

2〜249名ならBusinessが現実的な選択肢。150名以上でEnterpriseの最低席数を満たせるなら、要件次第でEnterpriseも検討対象に入る。250名以上はOpenAI自身がEnterprise推奨としている。

セキュリティ要件で絞る

SSOとSOC 2で十分ならBusiness。以下のいずれかが必要ならEnterprise一択になる:

  • SCIM(ユーザーの自動プロビジョニング/デプロビジョニング)

  • 顧客管理の暗号鍵(EKM)

  • データ保持期間のカスタム設定

  • データ保管地域の指定

  • DLP連携

  • HIPAA BAA

コストで絞る

年間予算の目安:

  • 10名: Businessで年間3,000ドル(約45万円)

  • 50名: Businessで年間15,000ドル(約225万円)

  • 150名: Businessで年間45,000ドル(約675万円)、Enterpriseで年間108,000ドル〜(約1,620万円〜)

  • 500名: Businessで年間150,000ドル(約2,250万円)、Enterpriseで年間270,000ドル〜(約4,050万円〜)

同じ150名でもBusinessとEnterpriseでは2倍以上のコスト差がある。SCIMやEKMが本当に必要かを精査すべきだ。

教育機関の場合

大学・教育機関はEdu一択。Study Modeや学内ワークスペースなど教育特化の機能があり、Enterpriseほどの管理統制は不要なケースが多い。ただし、医療系大学で患者データを扱うような場合はHIPAA BAA対応が必要になるため、Enterpriseとの併用やChatGPT for Healthcareの検討も必要になる。

日本企業の導入事例

楽天

2024年時点で毎日AIを使って業務する社員が8,000人に達した。ChatGPT Enterpriseを全社導入し、議事録作成、翻訳、営業メールのドラフト作成、社内資料作成に活用している。

トヨタコネクテッド

全社員のリスキリングを経営課題として掲げ、Enterpriseプランを選択。全社に安全な利用基盤を整備した上で、業務効率と付加価値の向上に取り組んでいる。

ダイキン

複雑な業務プロセスの自動化やデータ分析支援にChatGPT Enterpriseを活用している。

いずれも数千人規模の組織で、SSO・SCIM・監査ログといった管理機能がEnterprise選択の決め手になっている。

出典: note「日本におけるChatGPT Enterprise導入事例(2024〜2025)」(https://note.com/okada_ai/n/n145a56cc8e7b)

2026年のモデルとアップデート状況

2026年2月13日時点で、ChatGPTのモデルはGPT-5ファミリーに統一された。GPT-4シリーズ(GPT-4o等)とoシリーズ(o1、o3等)は退役済みで、現在は以下のモデルが利用できる。

  • GPT-5.4 Thinking: 推論に強いモデル。コンテキストウィンドウ196Kトークン

  • GPT-5.3 Instant: 高速応答モデル。コンテキストウィンドウ128Kトークン

Enterpriseでは GPT-5.3 Instantのメッセージが実質無制限。Business / Eduはユーザー単位またはクレジットプール単位で上限がある。

GPT-4oは2026年4月3日にカスタムGPT内からも完全退役する予定のため、GPT-4oベースでカスタムGPTを構築している組織は移行作業が必要だ。

ChatGPT Enterprise導入前に確認すべきこと

契約交渉に入る前に、社内で以下を整理しておくと見積もりの精度が上がり、交渉もスムーズになる。

利用人数の見通し: 初期の席数と1年後の拡大見込み。席数が多いほど単価が下がるため、部門単位ではなく全社で見積もりを取るほうが有利。

必須のセキュリティ要件: 自社の情報セキュリティポリシーに照らして、EKM・SCIM・データレジデンシー・DLPのどれが必須かを洗い出す。「あれば安心」程度の要件なら、Businessで十分かもしれない。

既存のIdP環境: Okta、Azure AD、Google Workspaceなど、現在使っているID管理基盤とのSSO/SCIM連携の要件を確認する。

データ保持ポリシー: 会話データをどのくらいの期間保持するか、ゼロリテンションが必要か。業種や規制によって異なる。

予算と承認プロセス: 年間契約が前提のため、予算確保と社内稟議のスケジュールを逆算する。150席 x 60ドル x 12か月 = 108,000ドルが最低ラインの目安。

FAQ

ChatGPT Enterpriseの料金はいくらか

公式の定価はなく、OpenAI営業チームとの個別交渉で決まる。目安は1ユーザーあたり月額45〜75ドルで、中央値は約60ドル。最低150席・年間契約が基本条件のため、年間最低約108,000ドル(約1,600万円)が必要。

ChatGPT BusinessとEnterpriseの違いは何か

Businessは月額25ドル/ユーザーで2名から始められる。Enterpriseは150名以上・年間契約で、SCIM自動プロビジョニング、Enterprise Key Management、データ保持期間のカスタム設定、データレジデンシー、Compliance API、DLP連携、専任サポートが追加される。SSO・SOC 2はどちらにもある。

ChatGPT TeamはなくなったのかBusinessとは別のプランか

ChatGPT Teamは2025年8月29日にChatGPT Businessへ名称変更された。同一のプランで、機能は引き継がれている。旧Teamの契約はそのままBusinessとして継続される。

ChatGPT Eduはどの教育機関が使えるか

大学・学区・教育機関が対象。個人の学生や小中高校が直接契約するプランではなく、機関単位でOpenAI営業チームに問い合わせる形になる。カリフォルニア州立大学が学生46万人規模で導入した実績がある。

ChatGPT Enterpriseのデータはモデル学習に使われるか

使われない。Business、Enterprise、Eduのいずれも、入出力データがモデルの学習や改善に利用されることはないとOpenAIは明言している。

ChatGPT EnterpriseはHIPAAに対応しているか

HIPAA BAA(事業者関連契約)の締結は可能だが、自動適用ではない。OpenAIとの個別交渉・審査を経て契約する必要がある。医療データを本格的に扱う場合は、2024年に登場したChatGPT for Healthcareも選択肢に入る。

150名未満だがEnterpriseの機能が必要な場合はどうすればよいか

OpenAI営業チームに相談する価値はある。公式には150席が目安とされているが、交渉次第で柔軟に対応される場合もある。ただし、席数が少ないと単価は高くなる。SCIMやEKMが本当に必要かを再検討し、Businessで代替できないかも併せて検討すべきだ。