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OpenAI CEOサム・アルトマン、AI時代の人類との共存を語る|ReThinkingポッドキャストより

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OpenAI CEOサム・アルトマン、AI時代の人類との共存を語る|ReThinkingポッドキャストより

OpenAI CEOサム・アルトマンが語る、AIと人類の共存戦略

○執筆:相坂ソウタ ○編集:柳谷智宣

2025年1月7日、OpenAIのCEO サム・アルトマン氏は組織心理学者であるアダム・グラントがホストを務めるポッドキャスト「ReThinking」に出演し、AIについて語りました。「ReThinking」はTEDが提供するポッドキャスト「TED Audio Collective」の一つとして提供されています。この番組では、クリエイターやリーダー、成功者たちとの対話を通じて、新しい視点や科学的知見を探求し、「私たちが知っていると思っていたこと」を再考することを目的としています。今回は、このポッドキャストの内容をまとめてご紹介します。

CEO、サム・アルトマン氏は、数々のインタビューや講演を通じて、AIがもたらす未来について深い洞察を語っています。彼の言葉は、AI研究の最前線にいる人物ならではの重みと、未来に対する希望と不安が入り混じった複雑な感情を私たちに伝えてくれます。

今回も、サム・アルトマン氏は、「私たちは、人類史上で一度きりの転換期を経験しています。それは、人間が地球上で最も賢い存在から、最も賢い存在ではなくなるという転換期です」と述べました。確かに、最近AIの性能が人間を超えたというニュースは耳にしますが、サム・アルトマン氏が言うのであれば説得力が違います。さて、今回はどんなお話が聞けるのでしょうか。

ReThinkingにOpenAIのCEO サム・アルトマン氏が登場

「ReThinking」にOpenAIのCEO サム・アルトマン氏が登場しました。

波乱のCEO解任劇から見えたOpenAIの組織としての強さ

トークは2023年末に起きたサム・アルトマン氏の解任劇から始まりました。サム・アルトマン氏が自分の会社から突然解任された後、わずか4~5日で復帰を果たしたという出来事です。本人も「最初は混乱が一番大きかった」「続いて怒りや悲しみ、あらゆる感情を一気に経験した」と振り返っていますが、結果的にはアルトマン氏の下に約700人もの社員が連名で復帰を求め、わずか数日で組織が元の体制に戻ったのです。

この件を本人は「見事なチームワークだった」と評していますが、アルトマン氏が強調したのは、解任されていた間にOpenAIの経営陣が秩序を保ち、会社の運営を続けていた事実でした。自分がいなくても正常に機能する組織を作り上げることこそがCEOの役割だと感じたとも語っています。

つまり、技術的なリーダーシップだけでなく「どんな人材を選び、どのようにチームを鍛えるか」が、急激な変化のただ中にあるAI企業を支える大きな柱になっているというわけです。AIという最先端分野は、文字通り毎日午後になる頃には想定外のトラブルが起こり得るほどに予測不能です。だからこそ、曖昧な状態であっても素早く情報を共有し、お互いを信じて対応できる人間の組織力が試されるのです。アルトマン氏自身は、「自分は研究や製品そのものを作り出すわけではなく、人とチームを作るのが仕事」と明言しており、組織づくりを何よりも誇りに思っている様子でした。

サム・アルトマン氏の東京でのビデオメッセージ

サム・アルトマン氏。写真は東京に進出した時のビデオメッセージ。

AIによる創造性と研究開発への恩恵

次に注目したいのは、AIが研究開発やイノベーションに与えるインパクトです。実際に、AIを活用した研究チームが生み出す特許の数が39%も増加し、それに伴う新製品のイノベーションは17%も向上するというデータが示されています。特に、従来なら何年もかかって見つからない新しい化学構造や創薬のアイデアなどを、AIが短時間で大量に生成し、そこから人間が有望な発見をふるい分ける。そうした作業フローによって、トップ科学者やエンジニアの生産性がさらに高まる現象が起きています。

一方で、そうした現場からは意外な声も出ています。AIアシストの結果、創造性が増すどころか、かえって「自分たちのスキルが十分に発揮されていない」「本来の研究者としての醍醐味が薄れてしまった」と感じる研究者も少なくないというのです。アルトマン氏自身も、その複雑な感情を理解できると語っています。彼はAIの驚異的な推論力に触れるにつれ、「自分が一番たのしく感じてきた"問題解決のわくわく"が奪われたらどうしよう」と不安になる瞬間もあると明かしました。

しかし、一緒に課題を解決していくAIがあるからこそ、人間がさらに高度で新しい問題へ挑めるのではないかと語る場面も印象的です。紙とペン、電卓や検索エンジンと同様に、道具が進化すれば価値ある仕事のレベルは上がり、私たちが取り組める課題も広がっていく。結局は自分自身の考え方をいかに深めるか、人間がどう関わることで創造的な成果を生み出せるか、を追求することこそ大切だということです。

共感と対話の新時代:AIと人間の関わり方

AIによって創造性が拡張される一方で、もう一つ注目されるのが「共感」や「対話」の分野です。人間が持つ感情的なサポートや温かい対人コミュニケーションは、長らくAIにはできないと信じられてきました。しかし、実験結果をみると、テキストベースのやり取りで相手が人間かAIかを伏せた状態では、むしろAIの方が相手をよく理解していたり、共感してくれていると感じる人が多いという衝撃的なデータもあるのです。

その理由として、人間同士の会話はしばしば自分の体験を話してしまう傾向が強く、相手をしっかり傾聴するよりも、自分の話に持っていってしまうことがあります。AIはこれをせずに、ひたすら話し相手の状況に合わせて応答してくれるため、自分を認めてくれているという印象を与えられるというわけです。

まとめ:人類の未来とAI活用の行方

これまで見てきたように、AIはすでに社会のあらゆる場面で「人間の代わり」として活躍し始め、圧倒的に効率の良い成果を出すケースも増えています。しかし、同時にサム・アルトマン氏が繰り返し強調するのは、「AIが人間のすべてを奪うわけではなく、むしろ人間の能力を拡張するツールになる」という視点です。

また、サム・アルトマン氏が言及した、人間が本能的に人間関係を大切にするという要素は、今後どれだけAIの性能が上がろうとも重要な価値として残り続ける可能性が高いでしょう。私たちは、相手がAIであると知ってしまうと急に興味を失ったり、やり取りを味気なく感じたりすることがあります。AIがいくら高度化しても、自分にとって大切な家族や友人、仲間たちとのやり取りは、これまで通りかけがえのないものだと感じるに違いありません。

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