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職種別!月額予算1万円で生成AIサービスを使う際のお勧めプラン

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職種別!月額予算1万円で生成AIサービスを使う際のお勧めプラン
アイサカ創太(AIsaka Souta)AIライター

アイサカ創太(AIsaka Souta)AIライター

こんにちは、相坂ソウタです。AIやテクノロジーの話題を、できるだけ身近に感じてもらえるよう工夫しながら記事を書いています。今は「人とAIが協力してつくる未来」にワクワクしながら執筆中。コーヒーとガジェット巡りが大好きです。

ビジネスで生成AIを活用したいが、選択肢があり過ぎて何を選べばいいのかわからない、という人は多いのではないでしょうか。そこで、今回は職種別に、月額約1万円という具体的な予算内で、明日からでも実践できるAIサービスのお勧め組み合わせパターンをご紹介します。

前提として、対話や文章生成の基盤となる「Gemini Advanced」「ChatGPT Plus」「Claude Pro」のいずれかは契約済みとし、そこに各業務に特化したAIツールをどう上乗せすれば効果が最大化されるのかを解説します。

Azure OpenAI Serviceで自社のChatGPTを構築していたり、会社がGoogle Workspaceを導入していれば、ChatGPTやGeminiの有料プラン相当の機能を使えます。そんな時は、ワンモアお勧めのサービスを追加してみましょう。


様々な生成AIサービスのアイコンが並んでいるイメージ

便利な生成AIサービスを賢く選んで組み合わせましょう。


マーケティング・広報部:コンテンツ制作のフルワークフローを構築し、企画から配信までを高速化

現代のマーケティングは、SNS、ブログ、動画、広告と、多岐にわたるチャネルへのスピーディーで質の高い情報発信が不可欠です。しかし、企画、デザイン制作、動画編集、ライティングといった各工程は専門性が高く、外注しているとそれぞれに時間とコストがかかるのが課題でした。

生成AIを活用し、分断された作業をシームレスに繋ぎ、一つの連続したワークフローへと変革させましょう。ChatGPTやGeminiなどの基本となる汎用生成AIで企画の骨子とSEO戦略を練り、CanvaとAdobe Fireflyで訴求力のあるビジュアルを作成します。

さらに、必要に応じて、SunoでBGMを生成し、ElevenLabsで高品質なナレーションを生成しましょう。Vrewで編集・字幕付けした動画に組み合わせれば、これまで数日を要していたマルチチャネル向けのコンテンツ制作がわずか数時間で完了してしまいます。

アイデアを即座に形にし、市場の反応を見ながら高速でPDCAを回す。そんな理想的なコンテンツマーケティング体制を、月額1万円の投資で構築できるのです。

○マルチチャネルコンテンツ制作強化セット(合計 約9375円/月)

  • 基本AI (Gemini / ChatGPT / Claude) (月額・約3000円)
    企画の壁打ち、SEOキーワード提案、プレスリリースの構成案作成
  • Canva (Proプラン 月額・1180円)
    SNS投稿画像、バナー、プレゼン資料などを豊富なテンプレートで高速作成
  • Firefly(Standardプラン 月額・1580円)
    広告用の画像加工、プロ品質のビジュアル調整、「生成塗りつぶし」が便利
  • Suno(Proプラン 月額・約 1550円 ※10ドル)
    プロモーション動画やポッドキャスト用のBGM・ジングルを生成
  • Vrew(Lightプラン 月額・約 1290円)
    テキストから動画を自動生成、AIによるカット編集、高精度な字幕付け
  • ElevenLabs(スタータープラン 月額・約775円 ※5ドル)
    作成した動画に、多言語対応の高品質なAIナレーションを追加

○ワンモア・おすすめ!

HeyGen (Creatorプラン 月額・約4500円 ※29ドル)

作成したコンテンツを「人」が語る動画を作成するならHeyGenがお勧めです。自分やモデルの姿から生成したAIアバターに、任意のテキストを自然な口の動きで語らせることができます。顔出しせずにパーソナリティを表現したり、同じ動画を多言語で吹き替えてグローバル展開したりと、コンテンツの説得力とリーチを飛躍的に高めます。

営業・企画部:情報収集から提案書作成までをDXし、提案の質とスピードを最大化

営業担当者が本来集中すべきは、紋切り型の資料作成ではなく、顧客との対話を通じた深い課題理解と、心に響く価値提案です。最適な生成AIを組み合わせて、営業プロセスに付随するリサーチや書類作成といったノンコア業務を自動化・省力化し、担当者を本来の役割に解放します。

まず、LINE WORKS AiNoteで商談や会議の内容をテキスト化し、そのデータをチームの共有財産に変えます。次に基本AIを使い、その議事録や顧客からの資料を分析させ、課題の核心を抽出。DeepLで海外の先進事例をリサーチし、提案に深みを与えます。そして、これらの情報から導き出したソリューションを、イルシルを使って日本の商習慣に合った説得力のある提案書へと一瞬でまとめ上げます。

勘や経験則に頼りがちだった提案プロセスが、データに基づいた科学的アプローチへと進化し、「刺さる提案」の再現性を高めます。顧客へのレスポンス速度と提案の質が、競合に対する決定的な優位性となるでしょう。

○提案力&リサーチ強化セット(合計 約1万600円/月)

  • 基本AI (Gemini / ChatGPT / Claude 月額・約3000円)
    長文資料の要約・分析、顧客課題の抽出、提案の切り口を発想
  • イルシル (パーソナルプラン 月額・1680円)
    日本のビジネスシーンに最適化されたデザインで高品質な提案書を高速生成
  • Perplexity(Proプラン 月額・約3100円 ※20ドル)
    検索型の生成AI.信頼性が求められるリサーチや情報収集に強みを発揮
  • LINE WORKS AiNote (ソロプラン 月額・1600円)
    Web会議の高精度な話者分離と自動文字起こしができる。要約も可能
  • DeepL Pro(Individual 月額・1380円)
    海外の業界レポートや技術資料のPDFそのものを日本語PDFに変換できる

○ワンモア・おすすめ!

NotebookLM (無料)

月額費用はかかりませんが、営業の質を根底から変えるポテンシャルを持つため、ぜひ導入を検討すべきツールです。自分がアップロードした過去の提案書や議事録、製品マニュアル、成功事例などの資料だけを情報源とする「あなた専用のAIアシスタント」を構築できます。「A社に似た課題を持つB社への過去の提案を要約して」や「この製品マニュアルから、C社の課題解決に繋がる機能を3つ抜き出して」といった、属人化しがちなノウハウや埋もれた情報を引き出すことができます。

デザイン・クリエイティブ部:アイデア創出から最終アウトプットまで、ビジュアル制作の品質と速度を高める

優れたクリエイティブは、偶発的なひらめきと、それをビジネスの要求に合わせて磨き上げる論理的な工程の両輪から生まれます。その両方のプロセスをAIで強化し、デザイナーの創造性を最大限に解放しましょう。

まず、基本AIとの対話を通じて、抽象的なコンセプトやターゲットに響く世界観を具体的な言葉へと落とし込みます。そのキーワードをインスピレーションの種としてMidjourneyに投げかければ、人間では思いもよらないような、芸術性の高いビジュアルが次々と生成されます。その映像をAdobe Fireflyの生成AI機能を使って動画にすることもできます。

最後にCanva Proを使い、完成したビジュアルをWebバナーやSNS用画像といった多様なビジネスフォーマットへ展開します。抽象的なイメージを具体的なアートに、そしてアートを実用的なデザインへと、淀みなく変換するエコシステムを活用しましょう。

○ビジュアル制作セット(合計 約1万410円/月)

  • 基本AI (Gemini / ChatGPT / Claude) (月額・約3000円)
    デザインコンセプトの壁打ち、ターゲットに響くコピーや世界観の言語化
  • Midjourney (Standardプラン) (月額・約4650円 ※30ドル)
    芸術的で高品質な画像生成。コンセプトアート、広告ビジュアルの創出
  • Firefly(Standardプラン 月額・1580円)
    画像や動画を生成するAdobeの生成AI。高品質な映像素材を手軽に作成可能
  • Canva (Proプラン 月額・1180円)
    生成した画像を使い、SNS投稿、Webバナー等のデザインに素早く展開

○ワンモア・おすすめ!

Topaz Labs (Photo AI) (約3万円 ※199ドル/買い切り)

月額課金ではありませんが、写真や画像の品質をさらに向上させたいときに活躍するAIツールです。AIによるノイズ除去、シャープネス調整、そして特に高解像度化(アップスケーリング)の精度は驚異的です。過去に撮影した解像度の低い写真素材を4K/8Kディスプレイにも耐えうる品質で蘇らせたり、AIで生成した画像の粗さを解消して商業印刷レベルに引き上げたりと、アウトプットの最終品質を向上させます。


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バックオフィス:複数の生成AI連携でノンコア業務を賢く自動化

バックオフィスは、単なる「守り」の部門ではありません。組織全体の生産性を左右し、従業員が安心して働ける環境を支える、いわば「司令塔」です。しかし、その実態は採用や契約書管理、請求書処理、社内からの膨大な問い合わせ対応といった、多岐にわたる定型業務に追われがちです。そんな時こそ生成AIを活用しましょう。

例えば、Adobe AcrobatのAIアシスタントを使えば、PDFで届く請求書や契約書の内容をAIが自動で読み取り、要約やリスクチェックまで行えます。別のツールに内容をコピペする必要などがなく、手間がかかりません。

また、個別のツールで業務を「点」で効率化するのではなく、複数の生成AIを連携させてワークフローそのものを変革することにもチャレンジしてみましょう。まず、Notion AIで「組織の知のデータベース」を構築します。そして、Chatworkを社内からの問い合わせ窓口とし、Yoomをハブとして連携させるのです。

例えば、「Chatwork上で社内規定に関する質問が投稿されたら、Yoomが起動し、Notion内の情報を参照・要約して回答案を自動生成する」といった、複数ツールを横断する自動化ワークフローが構築できます。

○バックオフィスDX自動化セット(合計 約7970円/月〜)

  • 基本AI (Gemini / ChatGPT / Claude) (月額・約3000円)
    募集要項のドラフト、社内規定の構成案、契約書の要約・リスク洗い出しなど、あらゆる文書作成・分析の基盤として活用
  • Notion AI (ビジネスプラン 月額・3150円)
    社内規定、議事録などを一元管理する「組織の脳」を構築。AIが散在する情報を整理・要約し、問い合わせ対応や情報検索を劇的に効率化
  • Chatwork (ビジネスプラン) (月額・840円)
    定番のビジネスチャット。Yoomと連携させることで、社内からの問い合わせにAIが自動応答する窓口として活用できる。
  • Yoom (フリープラン 無料、本格活用の際は有料プランが必要)
    様々なAIとSaaSを連携させる国産iPaaSツール。基本AIやNotionをChatworkと繋ぎ、定型業務を自動化するハブの役割を担う
  • Adobe Acrobat Pro (AIアシスタント搭載) (月額・980円)
    PDFで受信した契約書や請求書の内容をAIが瞬時に要約・分析。論点の抽出やリスクの洗い出しなどを自動で行い、確認業務を高速化

○ワンモア・おすすめ!

Zoom(プロプラン 月額・1999円)

ビデオ会議ツール「Zoom」では、有償プランであればAI機能が利用できる。Zoom AI Companionでは、ミーティングの要約やリアルタイム文字起こし、質問応答などが可能。特に、リアルタイムに文字起こしして、会議中に利用できるのが便利。もちろん、議事録を作成する手間も省ける。

組み合わせはあくまでも例。まずは触ってみるところからはじめよう

今回はあえて職種別にお勧めサービスを分類しましたが、もちろん担当する業務に応じて柔軟に取捨選択しましょう。重要なのは、一つの万能なAIに頼るのではなく、それぞれの業務プロセスや課題に合わせ、特化した機能を持つAIツールを「適材適所」で組み合わせるという視点です。確かに、複数のツールの使い方を覚えるのは手間がかかります。しかし、複数のツールを組み合わせることで、単体で使う以上の相乗効果が生まれ、生産性を飛躍的に向上させることができます。

今回ご紹介したプランはあくまで一例です。まずは興味を持ったサービスを一つ、無料プランや安価なプランから試してみてはいかがでしょうか。小さな一歩が、働き方を大きく変えるきっかけになるかもしれません。AI活用がビジネスの標準となる時代は、もう目前に迫っています。ぜひ、乗り遅れないように、AIを活用していきましょう。


この記事の監修

柳谷智宣(Yanagiya Tomonori)監修

柳谷智宣(Yanagiya Tomonori)監修

ITライターとして1998年から活動し、2022年からはAI領域に注力。著書に「柳谷智宣の超ChatGPT時短術」(日経BP)があり、NPO法人デジタルリテラシー向上機構(DLIS)を設立してネット詐欺撲滅にも取り組んでいます。第4次AIブームは日本の経済復活の一助になると考え、生成AI技術の活用法を中心に、初級者向けの情報発信を行っています。

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