AIニュース

情報をインフォグラフィックやグラフィックレコーディングで整理すると理解・伝達が捗る

-

-

  • facebook
  • line
  • twitter
情報をインフォグラフィックやグラフィックレコーディングで整理すると理解・伝達が捗る
アイサカ創太(AIsaka Souta)AIライター

アイサカ創太(AIsaka Souta)AIライター

こんにちは、相坂ソウタです。AIやテクノロジーの話題を、できるだけ身近に感じてもらえるよう工夫しながら記事を書いています。今は「人とAIが協力してつくる未来」にワクワクしながら執筆中。コーヒーとガジェット巡りが大好きです。

ChatGPTやGemini、Claudeといった生成AIで情報を収集したり、要約している人は多いでしょう。とは言え、テキストだけだと情報がなかなか頭に入ってこないこともあります。そんな時にお勧めなのが、「インフォグラフィック化」や「グラフィックレコーディング化」です。

人間の脳はテキストよりも視覚情報の処理を得意です。図解やアイコンを交えた情報は、文章のみの場合に比べ3日後の想起率が最大6倍になると言われており、学習効率を劇的に高められます。

長文を読まなくても、ビジュアルで全体像を把握できるため、情報を理解する時間が短縮できます。自分で見るだけでなく、人に伝えるためにプレゼンスライドやブログで使うのも有効です。また、SNSでバズらせるのにも寄与します。SNSのアルゴリズムは画像付き投稿を優遇する傾向があるため、同じ内容でも図解付きの方がクリック率やシェア率が高まります。

今回は、色々な情報をインフォグラフィック化・グラフィックレコーディング化するTipsを紹介します。

情報のインフォグラフィック化

記事内容のグラフィックレコーディング例

本記事の内容をグラレコ風に仕立ててもらいました。

まずは、トレンド解説記事などでよく見かける、最新情報をビジュアルで表現させるインフォグラフィックを作ってみましょう。自分で調べた情報を渡してもいいのですが、検索するところから生成AIに任せることもできます。

ここでは、Geminiに、AI関連ニュースをインフォグラフィック化してもらいました。グラフィカルにしたいなら、装飾を多用すると指示するとよいでしょう。AIやネタによっては英語表記になることがあるので、日本語で出力するように入れておくと安心です。

市場、技術トレンド、AIエージェント、産業インパクト、雇用、警鐘など、一通りの内容を押さえ、グラフ化したり、比較表にしたりしてグラフィカルにまとめてくれました。アイコンや図解も生成してくれており、短いプロンプトから生成されたとは思えません。

もちろん、気になるポイントはあります。例えば、主要LLMでGemini 2.0、GPT-4.5、Claude 3.7と最新ではないAIが取り上げられていました。とは言え、そのほかの金額や割合、導入効果などは具体的に紹介されており、しっかりと検索していることがわかります。

-----------------------------------------------------
●プロンプト
最新のAI関連ニュースを検索して、1枚のインフォグラフィックを生成してください。日本語のレポートスタイルで高密度、装飾を多用して見やすくしてください。
-----------------------------------------------------

インフォグラフィック例1 インフォグラフィック例2

「Canvas」でHTML形式のインフォグラフィックが生成できました。

生成AIによって、作成するインフォグラフィックの癖は大きく異なります。Geminiはクールなレポート風になることが多いですが、Claudeはビジュアルを多用したデザインになります。

例えば、先ほどのプロンプトの「最新」を「直近1週間」に変更して生成してみましょう。

Claudeで生成した最新AIニュースのインフォグラフィック Claudeで生成した直近1週間AIニュースのインフォグラフィック

Claudeで生成したAIニュースのインフォグラフィックです。

歴史や沿革を把握したいときには、タイムライン形式で表示させてみましょう。ここでは、1990年代から現在にいたるまでのSNS文化をまとめてもらいました。最初に試したときには、シンプルな羅列になってしまったので、時代背景やイラストを入れるように指示してみました。

とてもよくまとまっていて、このまま記事の解説図として利用できそうです。文字は画像として生成しているのではなく、HTMLで記述しているので、日本語もきちんと表示されています。

-----------------------------------------------------
●プロンプト
インフォグラフィックでSNSの文化の変遷を、1990年代から現在までタイムライン形式で表現してください。各時代の代表的なサービスのイラストと社会背景も含めてください
-----------------------------------------------------

Claudeで生成したSNS文化の変遷のインフォグラフィック例1 Claudeで生成したSNS文化の変遷のインフォグラフィック例2

ClaudeでSNS文化の変遷をまとめてもらいました。

複雑なインフォグラフィックをChatGPTの4oイメージ生成機能で作成すると、日本語の表示がおかしくなることが多いです。そんな時は、文字数を少なくしたり、「タイポグラフィ風で」と指示すると見栄えがよくなることがあります。タイポグラフィとは、文字や文章をより読みやすく、美しく、そしてデザイン的に表現するための技術や手法のことです。

ここでは総務省が令和2年に公開した「統計表における機械判読可能なデータ作成に関する表記方法について」という資料の内容をまとめてもらいましょう。この資料は、AIに手持ちのExcelファイルを読み込ませる際に、AIが内容を理解できるような書き方を指南しています。データの活用と言う面でとても重要なのですが、23ページに渡って延々とルールが書いてあるので、ChatGPTにインフォグラフィックにしてもらいましょう。

現在のところ、4oイメージ生成は日本語の表示が完璧ではありません。これは、OpenAIも問題として認識しており、近い将来修正されると思います。

-----------------------------------------------------
●プロンプト
以下の資料を分析し、内容をタイポグラフィ風のインフォグラフィック図解にしてください。
統計表における機械判読可能なデータ作成に関する表記方法について
-----------------------------------------------------

統計表における機械判読可能なデータ作成に関する表記方法についてPDF

PDFファイル「統計表における機械判読可能なデータ作成に関する表記方法について」です。

PDFの内容をインフォグラフィック化した例

PDFの内容をインフォグラフィックにできました。右側の方がいい感じですね。

情報のグラフィックレコーディング化

「グラフィックレコーディング(グラレコ)」という技法があります。会議やプレゼンなどの場で飛び交う情報を図形や文字でリアルタイムにまとめる手法で、要点をビジュアル化できます。

例えば、専門的な内容のYoutube動画を理解したい場合は、グラレコ風のインフォグラフィックにして、と指示するといい感じにまとめてくれることがあります。

今回は、Claudeに先日発表された「Claude Code」の動画をまとめてもらいました。今はYoutubeのURLを渡しても、中身を見ることができないので、文字起こしのテキストを貼り付けてあげましょう。

ChatGPTでも生成できるのですが、文字が多くなると日本語のフォントがおかしくなる可能性が高まります。込み入った内容をまとめるなら、Claudeが向いています。

-----------------------------------------------------
●プロンプト
以下のYoutubeの文字起こしの内容をグラレコ&インフォグラフィック図解にしてください。文字数は少なめで、日本語でお願いします。
###文字起こし A conversation on Claude Code - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=Yf_1w00qIKcの動画の文字起こしを貼り付け
-----------------------------------------------------

Claudeで生成したグラレコ例1 Claudeで生成したグラレコ例2

グラレコはその場でメモしたような構成になるのが特徴です。

ChatGPTで生成したグラレコ例

ChatGPTで生成したグラレコです。おかしな日本語フォントが散見されます。

ディープリサーチ機能を使って徹底的に調査した内容からインフォグラフィックに仕立ててもらうこともできます。例えば、Geminiで「Deep Research」をオンにして、世界と日本の消費税について調べた結果をインフォグラフィックにするように指示してみました。

すると、数分かけて3万8789文字のレポートを作成しました。画面右上の「作成」メニューから「インフォグラフィック」を選択すると、また処理が始まります。処理が終わったら「プレビュー」をクリックすると、インフォグラフィックが表示されます。

グラフや比較表を使って調査結果が視覚的にまとめられていました。主要国の中では税率が低く、GDPに対する税収割合も低いことがわかります。所得が低い人ほど収入に占める税負担の割合が重くなる「逆進性」の解説もあり、このまま勉強に使えそうなクオリティです。

ビジネスで最新の技術やトレンドが気になるものの、ゆっくり勉強している時間がない、と言う人は、インフォグラフィックにまとめて1分で情報収集するというのもありかもしれません。その上で、興味を持ったなら、AIの要約させたテキストを読む、さらに興味があるなら、ディープリサーチで作成したレポートを読み込む、といった段階を踏むと効率的です。

GeminiのDeep Research機能でインフォグラフィックを作成する手順

Geminiで「Deep Reserch」を使って調査したら、「インフォグラフィック」を作成します。

世界の消費税インフォグラフィック例1 世界の消費税インフォグラフィック例2

世界の消費税について図入りでわかりやすくまとめられています。

以上が情報をインフォグラフィックやグラフィックレコーディングで整理する方法となります。生成AIは要約が得意ですが、単なるテキストにとどまらず、視覚的に見やすくまとめてくれるようになりました。とても便利ですし、楽しく情報を取り入れることができるので、ぜひ試してみることをお勧めします。

天秤AI byGMO

今すぐ最大6つのAIを比較検証して、最適なモデルを見つけよう!

無料で天秤AI by GMOを試す

この記事の監修

柳谷智宣(Yanagiya Tomonori)監修

柳谷智宣(Yanagiya Tomonori)監修

ITライターとして1998年から活動し、2022年からはAI領域に注力。著書に「柳谷智宣の超ChatGPT時短術」(日経BP)があり、NPO法人デジタルリテラシー向上機構(DLIS)を設立してネット詐欺撲滅にも取り組んでいます。第4次AIブームは日本の経済復活の一助になると考え、生成AI技術の活用法を中心に、初級者向けの情報発信を行っています。

天秤AI by GMOイメージ

最新のAIが勢ぞろい! 天秤AI by GMOなら、最大6つのAIを同時に試せる!

無料天秤AI by GMOを試す